「針で218回刺された」という実際信じがたい、いじめが中国の小学校で起きた。「学校内でのいじめ」の実態が明らかになり、中国世論を震撼させている。
「少女は、授業中も含め、隣席に座る男子生徒から『千枚通し』や『コンパス』などで体を繰り返し刺され、合計218回にわたった」という。
「千枚通しなどは根元まで体に刺し込まれ、そのままの状態で40分間も耐えた。抜いたら『殺す』と脅された」
少女は、「字を書いた紙やシャープペンの芯、消しゴム、科学実験から持ち帰ったモノなどを食べることも強要された」という。また、平手打ちされたり、彫刻刀やハンマーなどを使用した暴行も受けた……」
このように、学校で受けたいじめの数々を語る女子学生の動画が、今月8日SNSに投稿され、見る人の心を締め付けた。
事件は「半年前」に起きたものだが、「刺されたところは今でも時々痛む」と訴えるのは、中国山東省済南市の章丘双語学校に通っていた、当時小6の女子生徒だ。
少女はカメラの前で、体に残った大量の傷跡や黒い斑点、そして当時来ていた服(穴だらけ)を示して見せた。
少女の母親は中国メディアの取材に応じ訴えている。
娘の腕や足から血が大量に出ているのを見たクラス担任はただ「医務室に行って手当するよう」と告げただけだったというのである。クラスの他の生徒は「娘は転校してきた隣の席の男子に傷つけられたんだ」と同教師に訴えたが、教師は被害者である娘に対し、「いざこざを引き起こすな」と言ったという。
いじめ発覚後も、担任教師は被害者ではなく、加害者のほうの保護者に電話かけて対応について尋ねたそうだ。
加害男子は以前の学校でもクラスメイトに暴行を加えて粉砕骨折させた。その時は弁償して解決している。そして加害者の男子生徒は、少女の通う学校に転校してきて早々、「自分の父親はこの学校の校長とツテ(関係)がある」と偉ぶっていたという。
「いじめの基準」
いじめ発覚後、現地警察は加害者、被害者側双方の保護者に事情を聴き、「立案基準には達していない」と結論づけた。現地の教育当局も「調査の結果、学校のいじめ基準に達していない」とした。
「いじめの基準に達していない」という信じられない当局の「セリフ」はSNSで炎上した。
「そもそも、いじめの基準って何よ?」
「何針刺されればそのいわゆる基準をクリアできるのか?」などと物議を醸し、当局の対応に非難が殺到した。
怒涛の世論の圧力のもと、現地当局は「調査チームを立ち上げて調査を行っている」と中国メディアに答えている。
いっぽう、学校側は「娘のケースが学校でのいじめに当てはめるかどうかについて投票を行い、参加者14人のうち、8人はいじめではないのほうに投じた」と被害女子の母親は11日に明かした。
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