フロリダ州のゴルフクラブで発生したトランプ前大統領の暗殺未遂事件で、警察は容疑者ライアン・ウェズリー・ラウスを逮捕した。
複数のアメリカメディアによると、トランプ前大統領を暗殺しようとしたとして告発された男性は、ライアン・ウェズリー・ラウス(Ryan Wesley Routh)58歳である。
9月15日、トランプ前大統領が日曜日を利用してフロリダ州の「トランプ・インターナショナル・ゴルフクラブ」でゴルフをしていた際、現地時間午後1時30分頃、シークレットサービスの特別警護官がフェンス越しにラウス容疑者が茂みの中にしゃがんでいるのを発見した。彼はスコープ付きのAK-47ライフルを持ち、トランプ氏のいる方向に銃口を向けていた。シークレットサービスの特別警護官は即座に発砲した。容疑者が逃走した後、警備員は銃の近くで2つのバックパックとGo-Pro社のカメラを見つけた。
容疑者の待機位置はトランプ氏から約300ヤード(約274メートル)~500ヤード(約457メートル)の距離にあった。
逮捕の経緯と現場の状況
ラウス容疑者は銃を投げ捨て、日産のSUVに乗って逃走したが、彼がトランプ氏の方向に発砲したかどうかは不明だ。
警察によると、目撃者がその車両の写真を撮影した後、当局はその写真をもとに、パームビーチ郡からマーチン郡へ逃げた男を州間高速道路I-95号線で追跡し逮捕した。この場所はトランプ氏のゴルフ場から北へ約45マイル(約72キロメートル)の距離にある。
マーチン郡の保安官ウィリアム・D・スナイダー氏は、「私たちが容疑者を車から降ろしたとき、彼は武器を持っていなかった」と述べた。
スナイダー氏によると、この男性は警察に止められた際、非常に冷静で、ほとんど感情を表に出していなかった。
容疑者のプロフィール
報道によると、58歳のラウス容疑者はほとんどの人生をノースカロライナ州で過ごし、2018年にハワイのカアアワに移住した。そこで彼は息子と共に小屋を建てる会社を経営していた。
しかし、ラウス容疑者の隣人たちは、彼とその家族は今年の5月にハワイに引っ越してきたと話している。
ノースカロライナ州成人矯正局のオンライン記録によれば、ラウス容疑者は2002年に大量破壊兵器の所持で有罪判決を受けている。
彼は2016年にトランプ氏に投票したと投稿したことがあるが、その後失望したと述べている。
ラウス容疑者はウクライナ戦争に関する情報をソーシャルメディアで頻繁に発信し、資金を集め、キエフに行くボランティアを募るためのウェブサイトを立ち上げた。ウェブサイトには、アメリカ国旗のTシャツとジャケットを着て笑顔を浮かべるラウス容疑者の写真が掲載されている。
有権者記録によれば、彼は無党派の有権者だが、今年の3月にはノースカロライナ州ギルフォード郡の民主党予備選挙に投票している。
今年の7月、ペンシルベニア州の選挙集会でトランプ氏が襲撃された後、ラウス容疑者は投稿を行ない、バイデン氏とハリス氏に対し、銃撃事件で負傷した人々を病院に見舞いに行き、集会で亡くなった消防士の葬儀に参加するよう呼びかけた。
ラウス容疑者はその投稿の中で「トランプ氏は彼らのために何もしないだろう」と述べた。
2003年、ラウス容疑者は無免許運転、武器の隠し持ちや、ひき逃げの罪で有罪判決を受けた。また、2010年には盗品所持の罪でも有罪判決を受けている。
グリーンズボロ市では、ラウス容疑者の隣人が、「NewsNation」の匿名インタビューに応じた。彼女はラウス容疑者を約20年知っていると語った。
隣人はラウス容疑者の行動は異常だと感じていたが、彼がこのような事件に巻き込まれるとは思っていなかったと述べた。
この隣人は、今回の銃に関する事件を聞いて驚かなかったと話し、長年にわたり人々はラウス容疑者の家で銃を目にしていたと語った。
彼女は、ラウス容疑者と最後に話したのは今年の5月で、彼がハワイに引っ越す前のことだと記憶している。その時、彼女はすべてが正常に見えたと述べた。
「彼は私に、ここでの最後の日だと告げて、私を抱きしめて別れを告げた。本当に彼は私を抱きしめたのです」と彼女は語った。
近所の人によると、ラウス容疑者は最後の日に彼女にハワイのシャツを贈り、彼女の息子を雇って引っ越しを手伝わせたそうだ。
「私は彼がただ彼女と一緒にハワイで生活しているだけだと思っていましたが、まさか彼が大統領を暗殺しようとしているとは、これは本当に狂っています」と彼女は言った。
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