中国経済 中共はアメリカ製技術を排除する「脱A」政策を推進中

IBMとマイクロソフト、中国事業の縮小が示す米中技術競争の激化

2024/08/27
更新: 2024/08/27

IBMマイクロソフトが、中国で事業規模を縮小する中、これが米中間の技術競争に与える影響が注目されている。最新の動向を追い、これらの変更が国際的なビジネス環境にどのように影響を与えるかを探る。

IBM中国は公式声明で、「状況に応じて運営を調整し、顧客にとって最良のサービスを提供する」と述べた。また声明では、今回の変更が中華圏の顧客サポートに影響を与えないことを強調している。

ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、IBMの幹部であるジャック・ヘルゲンローサー氏は26日、中国の研究開発機能を他国の施設に移転中であることを社員に通知した。ヘルゲンローサー氏は、IBMが中国市場での激しい競争に直面しており、インフラ関連の事業がここ数年で縮小傾向にあることを述べた。

情報筋によると、IBMは一部のスタッフに対し、中国以外の地域でエンジニアや研究者のポジションを増やす計画を伝えており、それにはインドのバンガロールも含まれているという。

米中対立が激化する中、さらに多くの外資系企業が中国から撤退

米中の地政学的緊張が高まる中、多くの国際企業が、中国でのビジネスを見直している。IBMだけでなく、他のアメリカのテクノロジー企業も今年、中国での事業規模を縮小した。例えば、5月にはアメリカ政府が中国での最先端AI技術の開発に対する規制を強化する動きを見せる中、マイクロソフトは中国にいるクラウドコンピューティングとAI分野の従業員数百名を他国へ移動させる計画を公表した。

その際、ワシントン・ポストはホワイトハウスが新たな規制案を検討中であると報じている。これにより、マイクロソフトをはじめとするアメリカのクラウドコンピューティング企業は、適切な許可を取得した上で、中国の顧客へ高度なAI技術を提供することが求められるようになる。

マイクロソフトはアジア太平洋地域で約7千人のエンジニアを雇用しており、その大部分が中国に駐在している。中国のマイクロソフトチームはクラウドコンピューティングとAI分野で、同社の主要製品の国際的な研究開発に貢献している。しかし中国で行っているクラウドコンピューティングとAIの研究は、アメリカの政策立案者から注目されている状況だ。

IBM、中国ビジネスからの撤退を

米中の競争が激化する中、中国政府はアメリカ製技術を排除する「脱A」政策を推進し、地方政府や国営企業に中国製の技術製品の購入を強く推奨している。この結果、IBMの中国市場でのシェアは大幅に減少し、他の競合企業がその恩恵を受けている。IBMは、中国での収益が前年比19.6%減少したことを発表した。

「脱A」とは、アメリカ製技術を避けることを意味している。

張婷
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