中国、若者の失業率急上昇、新現象「爛尾娃」が社会問題化

2024/08/28
更新: 2024/08/28

中国の経済不安と厳しい就職市場の中で、数百万の大学新卒者が「(爛尾娃(ランウェイワー)、後述)」と称される状況に直面している。彼らは適切な職を見つけることができず、未確定な将来に不安を抱いている。

中国において新卒者の数が増え続ける一方、失業率も同時に上昇しており、特に若者層においてその影響が顕著である。2023年のデータによれば、若者の失業率は過去最高の21.3%に達し、その後も公表が停止される中、社会的な不安が高まっている。政府は貿易戦争やCOVID-19の影響、不動産市場の不安定さや消費の低迷など、国内外の厳しい状況に直面しており、これにより多くの企業が採用を控え、新卒者の就職口が限られているのだ

「爛尾娃」という用語は、未完成の建物「爛尾楼(ランウェイロウ)」になぞらえて用いられており、学業を終えたものの就職できず、未来将来が描けない若者たちを指している。この用語はソーシャルメディアを通じて広がり、社会問題としての認識が高まっているという。

選択肢が少ないため、彼らは高収入の仕事をあきらめ、一時的な仕事で生計を立てるか、あるいは犯罪に手を出すかの選択を迫られて、切羽詰まっている。中国共産党の検察機関が昨年11月に公表したデータによると、2023年の最初の10か月で、電話やインターネット詐欺で起訴された18歳以下の少年の数が、前年比68%増加しており、高等教育を受けた若い卒業生が詐欺グループに加わるケースも増加している。

一方、厳しい現実に直面している若者たちも、彼らなりに対応を迫られている。27歳の澤法・曹さんは、北京の外交学院で修士号を取得したが、高収入の仕事が見つからず、故郷に戻る決断をした。彼は学位が、将来の給与に大きな差をもたらすかどうか疑問を抱きつつ、さらに学び続けることを検討している。

また、湖北中医薬大学を卒業したアマダ・陳さんは、国有企業での営業職を1か月で退職した。労働条件の厳しさと給与の低さが彼女を悩ませており、現在は職種転換を模索している。

中国共産党政府は、教育部が発行する「中国高等教育研究」誌において、2034年には新卒大学生が約1800万人に達すると予測しており、今後もこの問題が深刻化する可能性がある。

李言
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