中国江蘇省蘇州市崑山市の路上で13日、「若い男が餓死した」と伝えられている。
「中国でまた餓死者が出た」「中国でまた人生に絶望した人が飛び降り自殺した」といった内容の動画がSNSに多く出回っており、この事態に「朱門酒肉臭、路有凍死骨」と多くの人が嘆く。
これを直訳すれば、金持ちの家には酒や肉が腐るほど有り余っているのに、道には凍え死んでいる人がいる、となる。つまり、「貧富の差が大きすぎて、不公平だ」という意味だが、現代中国における特権階級と庶民の差を皮肉る定番の言葉となっている。
「餓死」
動画投稿者によると、「この青年は長きにわたり飢餓状態だった、ついに13日の夜に街中で餓死した」という。
投稿動画には、上半身裸で、両手で両膝を抱え、町の角で丸くうずくまったまま、動かなくなった若い男性の姿があった。その体はガリガリに瘦せこけていたが、両足は黒く腫れ上がっていた。その周囲には白いビニール袋が1つあるだけだった。市民の通報によって駆け付けたと思われる医療関係者が、何やら忙しそうに動いていた。
関連動画がSNSで拡散され、物議を醸した。
「生まれ変わったら、もうこの土地(中国)に来るな」
「この繁栄している時代に、どうして餓死者が出るのか」
「中国には食料の無料配布がないから、働いてお金を稼がなければ、100%餓死する!」
「今後、餓死者はもっと増える」といった声が目立つ。
なかには、「骨は売れる、共産党はまた一儲けできる」という、最近発覚した「遺体転売ビジネス」と関連した、ゾッとするコメントまで出ている。
崑山市はかつて製造業の拠点として非常に栄えていたが、近年は衰退の一途をたどっており、無数の工場が潰れ、失業者があふれている。
崑山市へ出稼ぎにやってきた若者のなかには、仕事にありつけず、お金を稼げないため、故郷の家族に合わす顔がないために、帰郷できず、この地に留まり続ける若者も少なくないという。
今回、餓死したとされる青年の「人生最後の地」となった崑山市の「中華園」は、仕事がない大勢の若者がいる場所だ。なかには、部屋を借りるお金もないため、野宿する若者も少なくない。
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