中国本土のインターネット上の過激な書き込みを、日本語や英語など他言語に直接翻訳して、X(旧Twitter)などSNSで発信する「大翻訳運動(The Great Translation Movement,TGTM)」
中国本土の子供たちへの反日教育や、安倍晋三元首相暗殺事件を揶揄する残忍な書き込みも翻訳され、日本でも反響を呼んだこの運動の影響力をおそれた中国当局は2022年より徹底的な取り締まりに乗り出し、関与者を相次ぎと拘束した。
同運動に関わったがために、中国当局に逮捕された多くの有志は「2000年代生まれ」以後の中国本土や香港の若者であり、彼らは中国で最も若い「政治犯」となった。
「すでに40人以上の参加者が逮捕されている」といわれるなか、「大翻訳運動」の参加者たちは中国共産党(中共)による迫害を避けるため、世界各地で逃亡生活を送っている。もし彼らが中国へ送還されることがあれば、厳しい迫害に直面することになり、自由を失い、命を落としかねない現状がある。
中共の偽りの仮面を暴いた「大翻訳運動」の参加者たちを声援する集会が、先月28日(現地時間)、米ロサンゼルスの中国領事館前で開かれた。
集会には数十人の在米華人が参加し、「大翻訳運動に支持し、中共への制裁を米議会に求める」内容のプラカードを掲げ、「中共を終わらせ、迫害を終わらせよう」と書かれた横断幕を掲げた。
2時間におよぶ集会の間、在米華人たちはステージに上がってスピーチを行い、大翻訳運動への支援を米議会に呼びかける共同書簡にサインをした。参加者たちはこの日、中国領事館の周りでも、抗議デモの進行を行った。
中共は若者の力を恐れている
「なぜ大翻訳運動を声援するのか?」
集会を主催したアメリカ在住の著名な人権活動家・界立建氏(「中国民主党」合同本部の副主席)は、「中共が嘘で隠していた真実を英語、日本語、ドイツ語などに翻訳して世に知らしめ、大きな影響をもたらしたからだ」と回答。
「中共には真実を報道する報道機構はなく、中共に都合の良い情報だけの嘘をばら撒く。中共は中国の人々に対して、嘘で固めたプロパガンダで洗脳を行っている」「しかし、嘘で作り上げた物語はいずれ笑われるだけだ」と界氏は指摘する。
「大翻訳運動」に参加する人の若者のなかには留学生も多い。
界氏によると、「これら学生は外の世界に最も簡単に接触できるうえ、エネルギッシュだ。そのパワーは強大であるため、中共はこれら若者が団結し、脅威になることを恐れている」という。
集会に参加するためにオーストラリアから駆け付けた「大翻訳運動」の参加者でもある中国江蘇省南京市出身の「悉尼維尼(しつにい いに Aaron Chang)」さんは、「私たちは、中国で何が起きているのか、中共がいかにして自分たちの安定のために中国人のナショナリズムを煽っているのか、ということを世界に知らせただけだ」
「中共の国内向け宣伝と外交向け宣伝は全く異なっている。外国人が中国語を読めないのをいいことに、自分たちは非常に友好的だと示している。しかし、いっぽうで国内の人民に対しては、どの外国も敵だと宣伝してナショナリズムを煽いでいるんだ」と話した。
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