今月21日、中国山西省朔州市(さくしゅうし)で「スイカ」をきっかけとした、わずか6円の釣銭をめぐる見知らぬ人同士間のトラブルが、殺人事件に発展してしまった。
事件の日、街で買い物していたある中年女性は3.7元(約79円)のスイカを買うことにし、5元(約107円)の紙幣をスイカ売りに渡した。本来ならば女性のもとには1.3元の釣銭がかえってくるはずだったが、1元しかもらえなかった。
「釣銭を全部もらえなかった!」と怒った女性は自宅に戻り、夫を連れて再度スイカ売りのところへ舞い戻った。
「なぜ釣銭を全部くれないのか? 残り0.3元(約6円)をなぜくれないのか」と、女性の夫はさっそくスイカ売りに問い詰める。すると、スイカ売りは「四捨五入を知らないのか? 3.7元だったから4元をもらうよ」と主張。2人は口論になり、ついには身体的な衝突へと変わった。
最終的に、女性の63歳の夫は、36歳になる若い物売りを、スイカを切る包丁で刺した。スイカ売りは死亡し、女性の夫は現場に駆け付けた警察によって連行された。
この事件は中国メディアも取り上げており、物議を醸した。
「人ひとりの命の価値は0.3元だというのか?」
ネット上では、釣銭をきちんと渡さなかったスイカ売りを非難する声、怒りに身を任せて殺人まで犯して、余生を獄中で過ごすハメとなった女性の夫の愚かさに、嘆きの声が広がっている。
印象に残ったコメントにはこのようなものがあった。
「わずか0.3元という、取るに足らないカネにここまでこだわる2人。その根本的な原因は、結局は2人とも惨めな最下層の人間だったからだ。もし、2人が毎日贅沢三昧をしている特権階層ならば、そんなすずめの涙ほどのカネのために争うこともしなかっただろう」
(事件現場の様子)
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