米駐台代表、頼清徳総統と会談 対台防衛の約束を再確認

2024/07/12
更新: 2024/07/12

米国政府は「中国の軍事的脅威に対抗して、米国は台湾の防衛力強化を支援する」と改めて確認した。7月10日、米国在台協会(AIT)の台北事務所長(大使に相当)に就任したレイモンド・グリーン氏は、頼清徳台湾総統を訪問した際にこのように述べた。

台湾メディアによると、レイモンド・グリーン事務所長は7月8日に台北に赴任し、その2日後に総統府で頼清徳総統を訪問した。公式の会見でグリーン事務所長は、「何よりも重要なことは、米国が台湾の自衛能力を強力に支持していることだ」と述べ、「我々(米国と台湾)は共に台湾海峡の平和と安定に対する共通で長期的な利益を有している」と強調した。

グリーン事務所長は、中国の対外政策の基調である「一つの中国」原則と米国の台湾関係法(TRA)に基づき、「台湾防衛を保証するという米国の約束は変わらない」とも述べた。1979年1月1日の米中国交正常化と同時に制定された台湾関係法は、台湾海峡の平和の保証、台湾防衛のための米国の武器販売、台湾防衛の規定を含んでいる。

グリーン氏は、中国の脅威について「米国と台湾はますます複雑な挑戦に直面しているが、長期的なパートナーシップも引き続き強化されている」と強調した。台湾海峡で現状を維持するという約束も再確認し、「米国は協力することに専念し、民主主義国家と緊密に協力していく」と述べた。これに対して頼清徳総統は、「台湾と米国は堅固なパートナーである」と述べ、「台湾海峡で現状を変更しようとする中国の挑戦に対し、地域の平和と安定を守るために国際社会の責任ある一員として共に行動していく」と応えた。

米国在台協会は、1979年の台湾と米国の断交後に設立された非公式の外交機関であり、米国バージニア州に本部を置き、台湾の台北と高雄に事務所を構えている。台北事務所長は「代表」と呼ばれ、実質的な大使の役割を果たしている。

レイモンド・グリーン台北事務所長は、米国務省の上級外交官であり、アジア・太平洋分野の専門家として、在沖縄米国総領事、中国の成都米国総領事を歴任した。2018年から2021年にかけて米国在台協会台北事務所の副代表を務め、その後日本の米国大使館副大使を経て今回再び台北に赴任した。

グリーン事務所長は若手外交官時代から頼清徳総統との縁があり、今回の訪問で「20年前、立法委員だった時にお会いした際、あなたが台湾の未来の総統になる可能性が非常に高いと信じていた」と述べ、頼清徳総統を含む出席者が笑顔を見せたと台湾メディアは報じている。

台湾外交部は、「レイモンド・グリーン事務所長(代表)は2018年から2021年の間に米国在台協会台北事務所副代表として勤務し、台湾に250万ドースのCovid-19ワクチンの寄贈、米国務省の台湾交流規則の大幅緩和、台湾防衛用武器販売の常態化、両国間の『貿易投資基本協定(TIFA)』会議の再開、『台米経済繁栄パートナーシップ対話(EPPD)』の推進、海洋・科学技術協力覚書の締結、『インド太平洋民主主義ガバナンス強化』会議の開催、『グローバル協力・訓練フレームワーク(GCTF)』の拡大などを通じて、米国の台湾に対する支持を具体的に示してきた」と述べ、歓迎の意を表明した。

徐天睿
エポックタイムズ記者。日米中関係 、アジア情勢、中国政治に詳しい。大学では国際教養を専攻。中国古典文化と旅行が好き。世界の真実の姿を伝えます!