今月5日夜、中国第2の淡水湖「洞庭湖」の堤防が決壊した。激浪の洪水は付近の複数の村を飲み込み、流域の村民は寝る事も許されず避難を余儀なくされた。「洞庭湖」のダム決壊により溢れ出た洪水により、一部の村では水が屋根まで届いている。
この緊急時に、現地当局(湖南省岳陽市華容県)が同日夜に出した内部通達がネット上に流れ、物議を醸した。
そこには、「全ての県、公務員の休暇は取消す、許可なくメディアの取材に応じてはならない。誰であっても外部に対して情報を発信するな、全ては公式通達に基づくこと」などと記されていた。
「内部に対するかん口令」とも捉えられるこの内部通達をめぐり、SNS上では「中国共産党当局は洞庭湖より人々の口を塞いだほうが簡単だと考えているようだ」といった皮肉のコメントが殺到。「災害救助より先にやることがコレか!」などの嘆きの声が広がっている。
(「洞庭湖」堤防決壊、避難する被災地・湖南省の市民)
この頃、中国南部では深刻な水害に見舞われている。
今回決壊した「洞庭湖」がある湖南省の河川は70年来の最高水位を記録した。
深刻な水害をもたらし洪水が起きた原因について、連日のように降り続いた大雨による河川の水位上昇に加え、被災した人々は「予告なしのダム放流が行われた」と訴えている。
彼らはエポックタイムズの取材に対し、「予告なしのダム放流により短時間で水位が急上昇した。避難する間もなく、そのまま流された市民も多く、すでに遺体で発見された人もいれば、それ以外にも大勢の行方不明者も出ている。しかし、当局は災害情報を隠蔽している」と訴えている。
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