18日、内モンゴル自治区フフホト市の村で5人が殺害される事件が起きた。
容疑者の霍文常(男、43歳)は現在も(20日時点)逃走中で、地元警察は懸賞金3万元(約65万円)を設定して情報の提供を呼びかけている。
殺害動機に関しては、公式通報では言及されていないが、「土地をめぐるトラブルだ」と事情を知る地元民はいう。
殺害された一家についても、「村で横暴を働いてきた権力者一家で、長年にわたって容疑者の土地を占拠してきた」という情報もある。それによると、「土地を長年占拠されてきた容疑者の男は何年も法的に訴えて裁判をしてきたが、コネがある権力者にかなわず敗訴した。さらに棺桶を送られるなどの辱めを受けてきた結果、とうとう堪忍袋の緒が切れた」という。
中国では近年、長年いじめられてきた「大人しく温厚だった」といわれる村民が、ある日突然いじめる側(たいていは村の権力者)一家を皆殺しにする事件が各地で起きている。
その背景にあるのは、権力とカネがあればいくらでも被害側を抑圧・弾圧できる腐敗問題と、カネも権力もない側は法的に訴えても、たいていの場合はかなわない絶望的な状況がある。本来正義の味方である警察も、裁判官も悪人側についた時、自らの手で正義を貫くに至る庶民の悲しい現実が、浮き彫りになった事件である。
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