彼らはインターネットを閉鎖している(上)

2024/06/04
更新: 2024/06/06

このような混乱した時代、多くの論争があり、多くのことを発見し、知る必要がある。何十億という人々が今、携帯電話を顔に向け、答えを探し求めている。彼らが目にする結果は、ほんの数年前とは大きく変わっている。

Google検索が昔とは異なることに、あなたもきっと気づいているだろう。もしくは、その変化に気づいていないのかもしれないが、それがGoogleの狙いかもしれない。長年にわたり、私たちはGoogleが大衆の評価を基準にした一般的な合意の結果を提供していると信じてきた。そのシステムは完璧ではなかったが、それなりには機能していた。

Google検索でのウェブサイトのランキングは、そのサイトを利用する人の数、リンクしているサイトの数と種類、そして生成するトラフィックの量によって決まっていた。サイトの検索結果を最適化するためには、適切なキーワード、サイトマップ、整った構造、安定したリンクの使用が有効だった。これにより、上位にランクインすることが可能になった。

この目的を達成するための産業が生まれ、多くの専門家が検索エンジンの仕組みを解明したと主張していた。

しかし、そのシステムはもはや終わりを告げた。現在検索結果で表示されるのは、エリート層が私たちに見せたい情報だ。彼らが選択権を持ち、政治的、文化的な問題に基づいて結果を選び出している。

新しいシステムがいつ始まったのか正確にはわからないが、過去1年から24か月の間に確立された。新しい検索結果はユーザー体験に基づいているわけではなく、何を知るべきかを決める人々に基づいている。その人々とは、政治的な動機を持つ不透明な官僚や、ディープステートのエージェントかもしれない。結局のところ、私たちが見る情報は、何らかの権威が見せたいと思っているものになってしまう。

これは偶然の出来事ではなく、ある計画の実現なのだ。インターネットが提供する自由をうまく扱えなかった人々がいた。彼らはインターネットを破壊し、独占し、検閲し、権力に奉仕するシステムへと変えてしまった。これが、人々の知識を求める絶え間ない欲求よりも優先された。

過去から現在に至るまでの悲しい変化は、年々発表されてきた様々な宣言の歴史をたどることで明らかになる。インターネットの黎明期(れいめいき・夜明けにあたる時期)である1996年、デジタルの権威であり、グレイトフル・デッド(アメリカのロックバンド)の作詞家で、ハーバード大学の研究員だったジョン・ペリー・バーロウ氏がそのさきがけとなった。彼は2018年に亡くなった。

バーロウ氏の「サイバースペース独立宣言」は、皮肉にもスイスのダボスで書かれたが、今も彼が設立した電子フロンティア財団(EFF)によって保存されている。この宣言は、インターネットの自由がもたらす開放的で解放的な未来について、情熱的に語っている。

「産業社会の政府の皆さん、疲れ果てた肉と鋼の巨人たち、私は心の新しい住処であるサイバースペースから来ました。未来を代表して、過去の皆さんにお願いします。私たちをほっといてください。あなた方は私たちの集う場所に歓迎されることはありません。私たちが集う場所では、あなた方には主権がありません」

そう、そうだった。バーロウ氏の言葉は、ある世代の起業家とユーザーの倫理観を決定づけた。インターネットは私たちに自由と情報への無制限のアクセスを与えてくれる。もはや権威やプロパガンダに縛られることはない。アル・ゴアがそう呼んだように、新しい「情報スーパーハイウェイ」は、前例のないアクセスによって人類を解放し、このアクセスは世界を変え、世界中の自由な人々と民主主義にさらなる進歩をもたらしていた。

それから10年半近く経った2012年、この考えは、新興アプリ経済と世界中で爆発的に普及したスマートフォンの主な立役者たちによって完全に受け入れられた。その結果、2012年7月にインターネット自由宣言が発表され、当時多くの報道陣の注目を集めた。この宣言には、EFF(Electronic Frontier Foundation
)、アムネスティ・インターナショナル、国境なき記者団、その他自由を重視する団体が署名した。

今、Internet Declaration.orgのサイトにアクセスしても、ブラウザはその内容を一切表示しない。セキュア証明書が切れているのだ。警告を迂回すると、コンテンツへのアクセスが一切禁止されていることに気づくだろう。Archive.orgのツアーを見ると、このサイトが生きている最後のプレゼンテーションは2018年2月だったことがわかる。

インターネット自由宣言の執筆から早10年。年は2022年で、私たちは、特にロックダウンやワクチン義務化の知恵を疑う人々のアカウントに対して削除が続く荒れた2年間を経験していた。

 

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
ブラウンストーン・インスティテュートの創設者。著書に「右翼の集団主義」(Right-Wing Collectivism: The Other Threat to Liberty)がある。