なぜ子供たちに薬を投与するのか? ADHDの診断の罠

2024/05/30
更新: 2024/05/30

ここ数年、長い間存在していたにもかかわらず、専門家以外にはあまり知られていなかったスキャンダルが大きく露呈した。その問題とは、製薬会社や政府の規制当局、医療業界の連携である。この問題はあまりに壮大なテーマで、短い記事ではとても説明しきれない。

大した効果のない新型コロナウイルスワクチンは始まりに過ぎない。我々が知っている限り、そして調査の過程で発見された限りでは、このワクチンは武漢ウイルス研究所から流出した問題から目をそらすための対策として迅速に開発された。予防接種が打たれる間、世界の人々は1年以上も人質とされた。ワクチンがいったん配布されると、実際に感染に歯止めをかけたり、蔓延を食い止めたりすることはできないことが明らかになった。とどのつまり、いずれにせよ感染し、我々は予防注射をめぐる甚大な被害を被ったのである。

私はこの短い経緯を、現在人気のビデオポッドキャストで配信し、著名な依存症専門医ドリュー・ピンスキー博士に説明した。ピンスキー医師は、上記の私の見解に深く納得した。彼はすぐに医療用麻薬「オピオイド」の危機と多くの類似点があることを見つけた。製薬会社は、依存症になるリスクがないまま痛みを治す奇跡の薬があると喧伝した。

処方しようとする勢いは激しく、処方しなかった場合の罰則を恐れる医師さえいた。その結果、もちろん悲惨な中毒危機が発生し、それは今日まで続いている。昨年だけでも500億ドルの補償金が被害者に支払われた。

この問題を考えていた矢先に、驚くべき新たな情報が耳に入ってきた。先日、強制医療に反対する子供の権利を擁護する団体「エイブルチャイルド」を設立したシーラ・マシューズ=ガロ氏の講演に参加する機会に恵まれた。そこであることが分かった。今日の公立学校では、多くの子供たちが日々「注意欠如・多動症(ADHD)」であると認定される可能性があるという脅威に直面している。

ADHDを証明する科学的根拠はないことが分かった。ADHDは完全に、選択式の質問を通して行われる診断である。質問は、そわそわする、忘れる、退屈する、仕事を終える、さまざまな形の行動、欲求不満の表現などに関するものだ。

このような診断方法では、多くの子供たち、特に例外的な子供たちや、かつては「才能がある」と考えられていた子供が異常と判断されることになる。結局のところ、現在、正常な行動特性を病理化する膨大な産業が存在する。一般的に、男子は女子に比べて成熟が遅く、女子に比べて環境適応に対する行動的抵抗が強い傾向にあるため、特に男子に大きな打撃を与えることになる。

この驚くべき現実については、『ADHDの詐術』を参照されたい。

このように診断することの目的は何だろうか、お分かりだろう。ADHDの人に有効な薬があるのだ。さまざまな名前がついている。リタリン(メチルフェニデート)やアデロール(アンフェタミン)、デクスメチルフェニデート、リスデキサムフェタミン、クロニジン、アトモキセチンなどだ。これらのうち一つでも、しっかりした薬であると証明されたものはない。これらはすべて向精神薬であり、子供用の麻薬なのだ。

何百万人もの子供たちが服用している。大学生になると、その割合はさらに高まる。成人の約3人に1人が精神科の薬を服用している。

この話を聞いて、私は驚いた。しかし、ある意味では、我々が知っている他のすべてのことと一致している。この業界は、公立学校などの政府機関や規制当局、医療当局と緊密な協力関係にあり、奇跡的な効果を吹聴しながら、実際には人生を台無しにする結果をもたらす薬を人々に打ち続けている。

もしあなたが薬物中毒になり、7歳から向精神薬を飲まずに生活していたら、学生時代はどうなっていたか考えてみてほしい。しかし、今日、何百万人もの子供たちは、同じことが言えない。まったく驚くべきことだ。このスキャンダルは、大々的に暴露されるのを待っているようなものだ。

ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が最近公の場で指摘しているように、関連する要因の中に、これらの薬物の広範な流通と学校での銃乱射事件との奇妙な関係がある。多くの事件は医療記録が公表されていない一方で、銃規制を訴えるニュースが垂れ流し状態だ。

私は精神刺激薬「アデロール」中毒の若者を直接見たことがある。いろいろな意味で、大学生になると、アデロールは奇跡の薬のように思える。大学では、時間にゆとりができてくる。その代わりに求められるのは、長い論文を期限までに提出すること、テストでアウトプットしても翌日には忘れてしまうような膨大な資料を暗記することだ。超集中して徹夜した後、1日か2日ゾンビのような気分になっても誰も気づかないということだ。

身体的なものだけでなく、心理的なものも含めて、依存症になる人をたくさん知っている。 薬物のない人生は退屈に思える。このような学生たちは、社会生活にも持ち込み、同様にろくでもないような状態となる。彼らは一日中働き、徹夜して、心を揺さぶるような何かを達成することはできるが、あなたが本来求めたものとはまったく違う。

私は次第に、本当の問題は薬物であることを知るようになった。私は、少なくとも安定した労働パターンを持ち、時間をかけて築き上げることのできる穏やかなスキルを想起させるような、適度に生産的な従業員を雇う方がましだという結論に達した。

このような薬物が小学生にキャンディーのように配られるのは完全にスキャンダラスな事態だ。親には抵抗する権利と義務がある。

最近知ったように、ADHDの診断に科学的な根拠はなかったし、ソーシャルディスタンスに科学的な根拠があったわけでもない。それはすべて、政府および利権手段がでっち上げたものであり、どういうわけか常に国民を薬漬けにすることに終始している。

ブラウンストーン・インスティテュートの創設者。著書に「右翼の集団主義」(Right-Wing Collectivism: The Other Threat to Liberty)がある。