軍内部で習近平に対する侮辱的な発言が広がる 中国共産党軍に異変の兆し?

2024/05/27
更新: 2024/05/27

中国共産党(中共)は23日と24日、台湾周辺で連続して軍事演習を実施した。台湾は平穏を保っているが、中国国内では不安定さが見られる。情報筋によると、北京の中部戦区では異常な動きがあり、政治的安定を維持するための措置が強化されている。また、隣接する河北省の軍関係者の間で、習近平に対する侮辱的な発言が広まっている。

25日、軍の内部情報に詳しい情報源である天明(仮名)さんは大紀元に、北京が軍事演習を発表した後、中部戦区にも変化があったことを明かした。夜中に突然、集合ラッパが吹かれ、通常休息時間に訓練が始まった。この部隊は北京の安全を守る任務を担っている。

公開情報によると、中部戦区は中国共産党軍の五大戦区の一つで、北京市、天津市、河北省、山西省、河南省、陝西省、湖北省の2都市5省を管轄している。本部は北京にあり、主な任務は国土と首都の防衛、他戦区への作戦支援である。

河北省の住民、天明さんによると、1月の台湾総選挙後、地元の駐屯軍から「地域の家庭に緊急避難パックが配布された。これは準備が進んでいる証拠だ」と聞かされた。彼は、戦争が起これば敵の最初の攻撃目標は北京になるため、北京の住民は河北省へ避難すると考えている。

しかし、天明さんは北京周辺が中国共産党の指導者にとって安全だとは思っていない。外部の脅威よりも内部の不安定が問題で、軍内部では習近平に対する不満が高まっている。「最近、河北省での豪雨を受け、軍内で『中南海(中共の政治中枢)を水浸しにし、習近平を吊るし上げる』という言葉が広まっている」と彼は述べている。

彼は、北京周辺の社会基盤の安定を維持する大きな圧力があることを指摘した。「問題の発生は予測しにくく、完璧な対策でも全てを防ぐことは不可能だ。最近、北京では身分証明書の検査が増え、外部からの入城が厳しく制限されている。住民の監視も強化されている」

「台湾で戦争が起これば、沿岸地域だけでなく首都の被害も甚大だ。政治的安定が最優先だ。国民が政府を恐れるようになると、悪い政権はさらに悪化する」と彼は述べた。

軍事演習 中国内部の安定への影響

中国共産党は台湾海峡で戦争リスクを煽っているが、2日間の軍事演習後も、台湾の市民は日常を維持している。台湾立法院では、与野党の政治争いが続いている。

台湾の株式市場でBMI指数が過去最高を更新し、23日には0.3%上昇した。半導体業界のリーダー、TSMCの株価は歴史的高値を維持している。

一方、中国では、中国共産党が台湾周辺で挑発的な軍事演習を行う中、A株の主要3指数が同時に下落した。上海総合指数は一時1.5%以上下落し、3100ポイントを割り込んだ。香港市場も同様に低迷し、ハンセン指数とハンセンテック指数が下落、特に恒生科技指数は2%以上落ち込んだ。24日には、上海総合指数が3100ポイントを割り込み、上海、深セン、北京の市場で3800以上の銘柄が値下がりした。

退役少将であり、以前台湾国防大学、政治作戦学院長を務めていた余宗基氏は24日、大紀元新聞のインタビューで、「中国共産党の軍事演習は台湾の日常生活や株価に大きな影響を与えていない」と述べた。「台湾では軍事的な脅威が特に大きな反響を引き起こしていない。むしろ、中国国内の経済問題がより深刻化しており、その影響は台湾よりも中国自身の方が大きいと言えるだろう」

中共軍内部からは、「中南海を水浸しにし、習近平を吊るし上げる」という習近平を侮辱するかのような発言が漏れ伝わっており、注目されている。

昨年から、中共軍内部で不穏な動きが続いている。ロケット軍、装備開発部門、軍事委員会統合参謀本部、陸海空軍、戦略支援部隊、そして宇宙軍事企業が粛清の対象となり、少なくとも10人以上の高級将校が地位を失った。失脚した人物には、ロケット軍の前司令・官李玉超氏、周亜寧氏、そして国防部長の李尚福氏が含まれている。

評論家の未普氏によると、習近平が20人以上の全国人民代表大会の代表を解任し、その約半数が軍関係者であるため、軍内部に習近平に対する不満が広がっている可能性があるという。

台湾の励志協会の執行長、賴榮偉氏は5月24日に大紀元に対して、最近中共軍内部で影響力のある人物たちが習近平に不満を持ち始めていると述べ、「現在共産党の党首であるため公には言えないが、こっそりと反習近平の声を集めている」と語った。

余宗基氏は、現在のところ軍内部のどの派閥も習近平に直接対抗する勇気はないが、経済の低迷、給与の遅延、党衛軍内の派閥争いなどが原因で、政権安定を保つ力が弱まり始めた場合、それは革命の前兆になるかもしれないと大紀元に語った。

余氏によると、中国共産党軍が台湾を攻撃すれば、世界中の民主主義勢力と戦争を引き起こすことを彼らは理解している。そのため、慎重な将軍たちはそのリスクを避けるべきだと考えている。習近平が台湾侵攻を決断すれば、彼の軍内での権力が失墜し、秩序維持能力が低下し、彼自身の財産や命にも大きな危険が及ぶだろう。

寧海鐘
中国語大紀元の記者。
駱亜
中国語大紀元の記者、編集者。