イラン大統領は事故死なのか 習近平もショック受けた?

2024/05/23
更新: 2024/05/23

最近、イランライシ大統領がヘリ墜落事故で亡くなった。ライシ氏は「テヘランの屠殺者」という不名誉な称号を持ち、人権侵害で世界から非難されていた。同氏は中共とも密接な関係を築いており、同氏の死が中共の党首に不安をもたらしているとされている。

イラン政府は5月20日、ライシ氏と外務大臣を含む9人が搭乗していたヘリコプターが、アゼルバイジャン国境付近で墜落し、全員が死亡したことを公表した。

その日のうちに、イランの最高指導者、ハメネイ師が国民に5日間の喪に服することを表明したが、市民の中には花火を打ち上げてライシ氏の死を祝う人々もいた。

また同日、中共の習近平は「中国の人々は良き友を失った」とコメントした。

セルフメディア「新聞看點」の李沐陽氏は、「習近平が党や政府を代表することは理解できるが、中国の国民全体を代表するわけではない。共産党は本来、人民の代表ではない。中国の人々は、ライシ氏のような独裁者が次々と姿を消すことを望んでいる」と述べている。

63歳で死亡したライシ大統領は、2021年にイランの大統領に就任し、国内で非常に強い影響力を持っていた。

同氏の在任中、イランは経済的に厳しい状況に直面し、外交的にも緊張が高まり、西側諸国との関係は次第に悪化していった。しかし、中共やロシアとは関係を深めていった。

時事評論家の藍述氏は次のように述べた。

「習近平と中共高官が迅速にイランに哀悼の意を示したことは、イラン大統領の突然の死が彼らに与えた衝撃の大きさを示している。中国が直面している経済の停滞、政治的な不安定、そして国民の不満が高まる状況はイランと似ており、この事件は彼らにとって警告の役割を果たしていると言える。もちろん、イラン大統領の急逝は、北京の指導者たちに対する天の警告と見なされている」

このヘリ墜落事故の原因に関しては、外部からさまざまな推測がされている。分析によると、最高指導者ハメネイ師との間の権力闘争が背景にある可能性がある。これが独裁国家に対する警告として機能し、中共の指導者たちにも不安を与える可能性があるかもしれない。

藍述氏はまた、「世界中に独裁者や暴君はそれほど多くない、一人の暴君が突然亡くなると、他の独裁者や暴君にも大きな衝撃を与え、警鐘を鳴らす効果がある」と述べた。

セルフメディアを運営する文昭氏は、「ライシ氏の急逝は、ある人に不安をもたらすことになるだろう。特に多くの人々が考えるのは習近平だ。イラン政府の将来の安定は、習近平の心理状態に直結している。彼とハメネイ氏は、後継者問題という共通の課題を抱えている」と分析している。

一部の評論家は、ライシ大統領が生前、数千人の反対派に処刑命令を下し、多くの人を殺害し、昨年はハマスによるイスラエル市民への攻撃計画を支持したと報じている。

ライシ大統領の死はただの墜落事故が原因なのか、それともイランの最高指導者ハメネイ師や他の関係者が関与しているのかは、恐らく永遠の謎となるだろう。