香港スパイ容疑で逮捕された英国人男性、ロンドン郊外の公園で死亡

2024/05/22
更新: 2024/05/22

香港の情報機関のためにスパイ活動を行った疑いで逮捕され、保釈中だった元英国海兵隊員のマシュー・トリケット被告(37)が21日、バークシャー州メイデンヘッドの自宅近くの公園で遺体で発見された。英テムズバレー警察が発表した。

警察によると、通行人が遺体を発見し、駆けつけた警官が救命措置を行ったが、その場で死亡が確認された。警察は「現時点では死因不明として捜査を進めている」としている。

トリケット被告は13日、他の2人の容疑者とともにロンドン市内のウエストミンスター治安判事裁判所に出廷し、国家安全保障に関する罪で起訴されていた。3人全員に保釈が認められていた。取材を試みたラジオ・フリー・アジア(RFA)取材映像によれば、裁判所から出た同氏は解答を避け、顔を覆い隠したまま走ってその場を離れた。

【生前 #MatthewTrickett 一直表現慌張】
【散庭後掩面狂奔避記者】

「不明原因死亡」的英、港諜案被告,前英軍Matthew Trickett,在案件曝光後均表現得異常慌張,他於5月13日在法庭關門前一刻,他才掩面狂奔,本台攝記嘗試追訪亦失敗。

相關報道:https://t.co/fpLdBz94M3https://t.co/5NCKMmeTI5 pic.twitter.com/5YIRgz66TP

— RFA 自由亞洲粵語 (@RfaCantonese) May 21, 2024

トリケット被告の遺族は英紙タイムズの声明で、「愛する息子、兄弟、家族を失い、悲しみに暮れている」と述べた。

在英中国大使館と香港行政長官の李家超(ジョン・リー)氏はこれらの容疑を非難し、否定している。

英当局によれば、3人の男に対する容疑は、2023年12月20日から2024年5月2日の間に、香港当局の要求に従って情報機関に実質的な支援を行う可能性が高い情報収集、監視、欺瞞行為を行うことに同意した罪に問われている。

また警察は、5月1日、3人が英国内の住居に強制的に侵入したとも主張している。

3人全員に保釈が認められたものの、国外への渡航は禁止され、夜間の外出禁止令を守り、地元の警察署に毎週出頭しなければならないとしている。

李行政長官は最近の記者会見で、起訴された男の一人がロンドンの香港経済貿易代表部のオフィスマネージャーだったと述べたが、香港の民主活動家に対する監視活動への関与については直接言及しなかった。

中国共産党による香港の一国二制度の実質的な消失により、英国と香港の関係は悪化している。英国政府は香港の北京支持の弾圧を批判する一方、香港当局は反体制派や民主活動家たちに対して、英国が安全な避難場所を提供していることを非難している。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。