国際人権NGO アムネスティ・インターナショナルが最近発表した報告によると、中国や香港出身の留学生が海外で人権活動に関わった場合、その家族が中共による脅迫や報復を受ける事例があると指摘した。このような中共の国際的な弾圧の実態が、再び世界の関心を集めている。
アムネスティ・インターナショナルは昨年10月から12月にかけて、中国国内、香港、マカオからの合計32人の留学生に対してインタビューを実施した。彼らはベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、オランダ、スイス、イギリス、米国など、様々な国で学んでいる。
報告では、多くの留学生が海外での人権活動に参加しているが、関連する人物から監視や中共から嫌がらせを受けていると述べている。
具体的には、活動をしている最中に怪しい撮影や録音をされる、または中国にいる家族が当局から嫌がらせや脅迫を受ける。パスポートを取り上げられたり、仕事を失ったり、昇進や退職金の権利を剥奪されたり、自由を制限される被害を経験している。
米国の中国人留学生、張俊傑さんは次のように述べた。
「私や周りの多くの学生が似たような状況に置かれている。家族が脅されると、私たちは声を上げることができなくなる。家族を脅して政治的に操作しようとする中国政府の手法は、非常に卑劣だ」
カナダで民主活動を推進する元北京の弁護士の賴建平さんは、こうした中共の嫌がらせなどについて「この行為は、政府が非常に危機的な状況にあること、そして安定を保つために最も卑しい手段を使っていることによるものだ」と述べた。
アムネスティは電子メールで「大紀元時報」に、インタビューを受けた留学生たちが同じ経験をしていると報告した。中共からの脅威や報復を恐れて、多くの留学生がストレスや挫折を感じており、それが研究活動にも悪影響を及ぼしている。中には、中国にいる家族と連絡を取ることができなくなる留学生もいる。
張俊傑さんは「中共は留学生の間に異なる意見があることを知ると、すぐに統一戦線を利用して留学生を孤立させたり、排斥したり、脅したりする。中国学生学者連合会をはじめとする組織を通じて留学生に圧力をかけ、彼らを萎縮させようとしている」という。
米国の国際NGO「フリーダム・ハウス」は1月の終わりに報告書を公表し、中共による国際的な圧力が、米国で学ぶ留学生たちにとって最も大きな脅威であると警告した。
アムネスティは中共に対して、監視や嫌がらせ、脅迫、威嚇を含む国際的な圧力の停止を要求している。さらに、世界各国の政府に対しても、このような圧力について効果的な調査を実施するよう促している。
中共のこうした圧力に対し、賴建平氏は「中共が支配を強化し、市民の自由をさらに制限するにつれて、中国の人々の反発は増すばかりだ。そして、世界中の人も中共への抵抗を強めるだろう。結局のところ、中共は避けられない滅亡の運命にあるのだ」と述べている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。