中国の5月の「ゴールデンウィーク」期間中、旅行者数は過去最多となったものの、1人当たりの消費額は減少傾向だった。
これらの傾向は中国経済の低迷と消費者の購買行動の変化を反映している。
今年の「ゴールデンウィーク」連休中に旅行をした人の数は2億9500万人に達し、過去最高を記録したが、一人当たりの消費額は増加せず、むしろ減少傾向にあった。表面的な活気の裏には、中国全体の消費の減少が隠れている。
中国の紅餐網は5月8日、今年の「ゴールデンウィーク」期間中の消費トレンドに4つの特徴があると分析した。
1. 逆方向旅行のトレンド
以前は北京、上海、広州、成都、重慶などの大都市が旅行先として人気であったが、今年の「ゴールデンウィーク」では、多くの人は小さな県や町に出かけ、これらの地方が旅行のピークを迎えた。データによると、旅行の注文増加率は一・二線都市よりも三・四線都市、そしてさらに地方で高かったという。
地方のホテル予約は前年同期比で64%増加し、チケット予約は200%を超える増加率を記録した。
多くの若者が主要な観光都市の高額な宿泊費や飲食代を避け、小規模な地方都市を選ぶ傾向にある。独自の民俗文化や観光スポットを提供し、安価で混雑が少ないこれらの場所は、リラックスして楽しむためのコストパフォーマンスが高い選択肢となっている。
2. 結婚式市場の低迷
「ゴールデンウィーク」や10月の連休は通常、結婚式のピークシーズンだが、今年は結婚するカップルの数が急激に減少し、オフシーズンとなっている。業界関係者によると、今年の5月は全国で1166件の結婚式が行われ、前年と比べて25.78%減少している。特に「ゴールデンウィーク」期間中の結婚式は530件で、前年同期間と比較して28.37%の減少であった。結婚式の減少により、関連するレストランや飲食店の業績も低迷している。
3. コストパフォーマンスが良く独自の魅力を持つレストランの人気
「ゴールデンウィーク」期間中、若者の間でコストパフォーマンスが高く、独特な雰囲気の小規模な飲食店が注目を集めた。これらの店舗では行列ができるほどの人気で、1時間以上の待ち時間があるケースも見られる。若者たちは節約志向を持ちながらも、コストパフォーマンスと品質の良い店舗を選ぶ傾向を示している。
4. 大都市の観光地での消費の低下
北京、上海、広州、成都、重慶、長沙などの人気観光地では街は人であふれているが、実際には多くの人が店舗での消費を控えており、飲食店は「人は多いが客が少ない」という問題に直面している。紅餐網は、このような消費傾向が今後も続くと予測している。
この記事の公開後、オンラインで多くの議論が巻き起こった。
「消費の低下は収入減が原因であり、その収入減は経済の停滞によるものだ。しかし、中国の経済成長の可能性はまだ大きく、先進国と比べても4倍の成長が期待できる」
「驚くことではない。みんなの収入が減っているので、消費を抑えるしかない」
インターネット上では、業界全体の縮小と倒産する会社の増加、収入の減少、経済の好調を報じるメディアのギャップが話題となっている。
アパレル業を営むある人物は次のように述べている。「以前はゴールデンウィークを前にビジネスが急増し、多くの客が休暇用の服を求めてきた。今年に入ってからはSNSに旅行の投稿をする人が大幅に減少し、商売も冷え込んでいる。収入が不安定なため、消費に踏み切れない顧客が多くいる」
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