フランス海軍の副提督(中将)は、中国共産党がヨーロッパで展開する「ハニートラップ作戦」について警告した。
映画のような巧妙な策略、魅力的な女性、エキゾチックなロマンス、そして軍の機密に通じる高級将校に絡む、スパイ映画を思わせるようなドラマが実際に起こっている。
フランス海軍が中国共産党のハニートラップ作戦に警鐘
「フィナンシャル・タイムズ」の4月29日の記事によると、フランス海軍のモリオ・ド・リル副提督が、2019年にブレストの海軍基地で行われたいくつかの結婚式に関して、議会に警告を発したと報じた。
ブレストはフランス海軍の核抑止力を担う潜水艦基地として知られており、近年この地域では中国人の女性留学生と海軍基地のスタッフとの間で多くの国際結婚が行われている。
この問題について懸念を抱いた議員は、非公開の議会公聴会でフランスの核潜水艦部隊の責任者に対し、これらの結婚に関する見解を尋ねた。
ハニートラップは中国の諜報機関が各国の官僚をおとり捜査するために使う一般的な戦術である。「フィナンシャル・タイムズ」によると、戦術の一つである「ハニーポット作戦」は、スパイがターゲットとする人物と恋愛関係を築くことを狙った作戦で、スパイ映画によくあるドラマチックなプロットの1つとなっているという。
2005年5月にオーストラリア政府に亡命申請した、駐シドニー中国領事館の元一等参事官・陳用林氏は、自身の在任中に、オーストラリアの政府職員が訪中した際、中国人の未成年女性と性的関係を持ったとして中国公安当局に拘束されたことがあった。
同職員は「中国共産党の工作員として働く」と要求に応じた後、最終的に釈放されたという。日本の官員も籠絡されている
2004年5月、在上海日本国総領事館の公文・電報担当事務官が自殺した。遺書で、カラオケ店で働く中国人女性との不適切な関係を理由に、中国公安当局から日本の外交機密を提供するよう脅迫されていたと明かした。
欧州の中共スパイネットワークは数十万人を超える
最近、ヨーロッパ各地で中国共産党のスパイが逮捕され、国際的な注目を浴びた。
ドイツでは3人が北京への敏感な軍事技術の流出の疑いで拘束された。ドイツの極右政党に所属する欧州議会議員の中国系アシスタントも逮捕されている。
またイギリスでは、2人の男性が北京によるスパイ活動に関与している疑いで起訴されている。
2023年の終わり、イギリスの議会情報および安全委員会は、中国共産党の国家情報機関が世界最大級である可能性が高く、数十万人の情報員を抱え、人的情報の収集能力が非常に高いと警告している。
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