迫害に負けず四半世紀、法輪功学習者がパレード 「信じる道あゆんで」沿道から声援

2024/04/23
更新: 2024/04/23

中国共産党による法輪功迫害が25年目に突入するなか、日本の法輪功学習者は21日、東京都内で平和的なパレードを行なった。初夏の雰囲気漂う浅草の街で、法輪功学習者はマーチングバンド「天国楽団」を先頭に練り歩いた。道ゆく人々は学習者らの訴えに耳を傾け、「中国共産党は直ちに迫害を止めるべきだ」「弾圧に負けずに、信じる道を進んでほしい」などと声援を送った。

浅草・雷門の前を通る法輪功学習者のパレード(大紀元)

四半世紀前の4.25事件

1992年に中国東北部で李洪志氏によって伝え出された法輪功は、その著しい健康増進効果により、口コミで瞬く間に広まった。学習者の数は1億人を数え、朝の公園でゆったりとした動作の「功法」を習う学習者の姿は、90年代の中国における風物詩となった。

しかし、当時の中国共産党総書記だった江沢民は、法輪功の人気の高さに嫉妬し、大規模な弾圧を画策した。中国共産党は法輪功に対する世論戦を展開し、御用学者に法輪功を執拗に攻撃させた。共産党宣伝部は機関紙に法輪功を誹謗中傷する記事を掲載し、他紙にも転載を命じた。

中国各地の法輪功学習者は地元の政府機関に陳情を行なったものの聞き入れられることなく、北京にある中央省庁「国家信訪局」に赴いた。その数およそ1万人。1999年4月25日のことだった。

法輪功学習者のパレードの隊列(大紀元)

法輪功学習者の陳情活動は早朝から夕刻まで続き、何ら暴力行為や過激な言動もなく、終始平和的なものだった。共産党幹部が法輪功学習者に対する嫌がらせ等を停止するとの約束を取り付けると、陳情に訪れた学習者らは現場のゴミを綺麗に片づけ、帰路に着いた。

しかし、平和的な陳情からおよそ3か月後の7月20日、中国共産党は全国的な弾圧を開始した。法的根拠を無視した拘束と監禁、拷問が各地で常態化し、数多くの学習者が命を落とした。

心に残る傷跡

幼い頃から両親と法輪功を習い始めた劉さん(仮名)は取材に対し「当時はまだ幼かったが、両親を見ていれば、彼らが強い圧力を受けていることがわかった。それまでは一緒にテレビを見たり、餃子を作ったりしていたが、そのような日常は迫害によって一変した」と語った。

「2004年、父親が拘束されたとき、私はまだ小学生だった。パトカーが家の前までやってきて、3人の私服警官が降りてきた。そのとき、拘束された法輪功学習者が虐待と拷問に遭い、骨と皮だけの状態になった写真を思い出した。もし捕まったら私も同じ目に遭うかもしれない。当時、本当にそう思った」

その後も、警察による家宅捜索などが続いた。「両親が法輪功を習っているため、私も事情聴取された」と劉さんは振り返った。

法輪功学習者のパレードの隊列(白露/大紀元)

中国出身の安宇さん(仮名)は自身の故郷での見聞を述べた。

「私が住む町には法輪功を習う20代の女子大学生がいた。確か2001年頃、彼女は法輪功の無実を訴えるため、天安門広場に行ったが、二度と戻ることはなかった。その両親は長年、様々な政府部門を尋ねたが、娘の居場所を知ることはできなかった。7、8年経ってから、娘は迫害によって死亡し、遺体も見つからないことを告げられた。本当に恐ろしいと思った」

大学入学後に法輪功を習い始めると、安宇さんは法輪功の素晴らしさを体験することができた。「法輪功の書籍を読むと、頭脳が明晰になり、体の奥から力が湧き上がってくるのを感じた。以前、私は自分の利益ばかり考えて、毎日疲れていたが、法輪功を始めてからは内心の平静を保てるようになった」。

中国では法輪功の話題はタブーとされる。「親しい友達との会話でも、法輪功について話すのは非常に難しい」「中国の教科書にも法輪功学習者を誹謗中傷する内容が含まれている。学校では時折、法輪功を侮辱する内容の署名活動を行うことがある」。

中国共産党のプロパガンダやヘイトに騙されないためにも、安宇さんは、法輪功とは何かを一度自分の目で見て欲しいと語った。

「法輪功を習うべきとは言っていない。一度自分の目で見て、自分で判断することができれば、真実に辿り着くことができると思う。中国でも言論と宗教の自由が保障され、人々が公の場で自由に活動できるようになることを切に願っている」

信念の源

1999年に中国共産党が迫害が始める前から法輪功の修煉を始めていた金井剛彦さんによると、修煉を始めると、長年悩まされていた花粉症がなくなり、アレルギー症状もなくなったという。精神状態も以前はイライラし、よく怒鳴ったりしていたが、修煉を始めてから心が落ち着いてきたという。

中国共産党が迫害を始める前から法輪功の修煉を始めていた金井剛彦さん(大道修/大紀元)

始めたきっかけは、法輪功の著作である『転法輪』を読み「本物だ」と思ったことだ。その後、中国で中国共産党の法輪功迫害が始まった事を知ったが、かまわず続けていた。金井さんは中国共産党の一方的な弾圧は「間違い」であり、「一人の人間として、全員がこの弾圧に反対しなければならないと思う」と述べた。

昔は疲れやすく、胃痛もひどく薬を手放せなかったという谷本朝子さん。法輪功を初めると吐血とともに痛みが消え、1カ月ほど経つと、何十年も悩まされてきた頭痛も全くなくなった。

谷本さんはもともと、対人関係に自信が持てず、小さい時から人前で喋るとガタガタ震えていたという。しかし法輪功を始めることで穏やかな気持ちになり、人前で話すのも苦でなくなった。谷本さんは中国で法輪功学習者が受けている迫害について、「本当に早く終わってほしいと願っている」と述べた。 

法輪功学習者の清水敏子さん(大紀元)

天国楽団のメンバーである清水敏子さんは取材に対し、「中国ではまだ迫害が続いているが、日本人の関心がすごく高まっていると感じている」とし、「法輪功迫害の残酷さや臓器狩りの事実もどんどん知られるようになってきた」と語った。

「色々な宗教を学んだが、どこに行っても『え?』と思うところがあり、あれこれと聞いているうちに『そこはわかりません』と言われ、限界を感じた」と手塚さん。「法輪功(の書籍)は読んでも読んでも限界がない。読めば読むほど、気づきが広がっていく。さらに座禅などを通して、忍耐力がだんだん養われていった」

「試練を乗り越えるたびに、真の自分が強くなっていくことを感じた。以前の私はパニック障害の症状がひどく、障害者手帳も持ち、外にも出られない状態だった。しかし法輪功を始めてから、そのような症状が消えていった。(法輪功の効果を)私自身で立証ができたので、すごいことだと思う」

法輪功学習者のパレードの隊列(白露/大紀元)

広がる理解の輪

法輪功学習者のパレードを見た観光客からは次々と応援のメッセージが寄せられた。

息子夫婦を訪ねて上京した阿部賢太郎さんはパレードを見て、「(中国共産党の)弾圧に負けずに、信じる道を進んでほしい」と励ましのメッセージを寄せた。法輪功学習者のパレードについて「(他のデモと違って)平和的だ」と述べた。

会社員の40代男性は「弾圧する理由はないと思う。なぜ禁止するのだろうか」「民主的に自由にできたらいいと思う」と語った。

米国から観光で来日したテイラー・マグヌスさんは法輪功迫害について「とても恐ろしい出来事だと思う。学習者らは習いたいものを習う権利を保障されるべきであり、これは人類にとって普遍的な権利だ」と語った。

ノルウェーから来日したベンジャミンさん(William Wang/大紀元)

ノルウェーから来日したベンジャミンさんは法輪功の隊列を見て、「より良く生きようとするのは良いことだ」と語った。残酷な迫害が四半世紀続いていることに驚きを隠せない様子で、「迫害が未だ問題になっているのは悲しい。なんとかして自由になってほしい」と述べた。

法輪功学習者は25年に亘って、中国共産党の憎悪と暴力に満ちた迫害に抗ってきた。平和的な草の根運動を通して、人々の法輪功に対する誤解を解いている。 

「法輪功」は「法輪大法」とも呼ばれ、「真、善、忍」の道徳的な理念に、坐禅と4つのゆったりとした気功動作を組み合わせたものだ。学習者は日々の生活の中で自らを高め、書籍を読み、不健康な習慣や欲求を手放していく。今日では世界100カ国以上に伝わり、その主要な著作である『転法輪』は40カ国語に翻訳されている。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。