世界人権デー 法輪功学習者 中国共産党の迫害の実態を語る

2024/12/11
更新: 2024/12/11

2024年12月10日、世界人権デーに合わせ、東京都文京シビックホールで法輪功学習者による証言集会がNPO法人・日本法輪大法学会の主催で開催された。

法輪功は「真・善・忍」を理念とする心身修養法とされており、その著しい健康増進効果により、口コミで瞬く間に広まった。中国統計局のデータによると、1999年までに実践者の数は1億人を数えた。

しかし1999年、中国共産党(中共)は法輪功に対する全国的な弾圧を開始した。あまりに急速に学習者数を増やした法輪功に嫉妬、恐怖を感じたのが原因とされている。

中共は絶大な人気を博していた法輪功への迫害を正当化するため、「法輪功は邪教(カルト)」などといった「虚偽の宣伝」をしている。そうした中で法輪功の学習者は逮捕・拉致、拘束、拷問、さらには臓器の強制収奪という被害に遭い、25年経た今もなお弾圧は続いている。

迫害を受け、暴行、拷問を受けた法輪功の学習者は、その多くが「虚偽の宣伝」を信じてしまった中国の人々に法輪功の真実を伝える過程で拘束されている。

現在、アメリカでは生体臓器収奪に関与した者への制裁などを含め、法輪功学習者への迫害を阻止する「法輪功保護法案」が下院を通過した。

また欧州議会でも法輪功への迫害の即時停止、法輪功学習者・丁元徳さんを無条件に釈放することを求める「2024/2504(RSP)決議」が賛成多数で可決され、中共の法輪功への人権弾圧に対する非難の声は世界中に広がっている。

中国本土における人権侵害問題に20年以上にわたり取り組んできた前衆議院議員・中津川博郷氏は人権について、「中国の問題であるが、世界の他の国にとっても、みんな同じ問題だ。人権という言葉は、子供の人権もあるし、障害者の人権もあるし、つまり普通の市民の人たちの人権で。人間として生まれた権利だ」と述べた。

前衆議院議員・中津川博郷氏(大紀元)

 

主催者の日本法輪大法学会の会長、稲垣兼太郎氏は

「一人でも多くの人に、この法輪功の迫害の事実を知ってもらい。そして、将来こんなことが起きないように、今みんながどうすべきか。そういうことを改めて考えて欲しい。周りの人にも伝えて欲しい」と訴えている。

稲垣兼太郎氏(大紀元)

今回の証言集会では10人の、迫害を受けた、または中国に迫害を受けた親族を持つ法輪功学習者が中国共産党による迫害の実態を語り、迫害停止を訴えている。以下、証言を記す。

張一文(ちょう・いちぶん)さんの証言

張さんの母である王乖彦(おう・かいげん)さんは法輪功を修煉しているという理由で、1999年から現在までの25年間にわたり、複数回不法に逮捕、投獄された。そのため張さんは9歳以降、母親とともに過ごした時間は5年にも満たない。友人には冗談交じりに「母はいるけれど、片親で育ったようなものだ」と話したことがあるという。

王さんは以前多くの病気を抱えていた。友人の勧めにより法輪功に出会い、善良で規律正しい生活を送るようになったことで、不思議にもすべての病気が完治したという。

しかし、1999年7月に中国共産党が法輪功への弾圧を開始した。王さんは違法に家宅捜査を受け、洗脳施設、留置場、労働教養所、刑務所などに収容された。張さんの記憶では、張さんが7歳ごろから母が頻繁に違法に拘束され、自由を奪われた日は10年以上に及ぶという。

王さんは労働教養所内で暴行を受け、顔に傷が残り、頭に無数の腫れができた。また針で刺されることもあり、衣服は血で滲んでいた。

今年4月、王さんは再び警察に不当に連行された。張さんは何度も留置場と警察に電話をかけたが、母と話すことは許されず、国内にいる親族も面会を拒否されたという。そして8か月経過した今も判決はいまだに下っていない。

張さんは「母や他の法輪功学習者たちの救出にご支援をお願いいたします」と切実な思いを述べた。

周斌(しゅう・ひん)さんの証言

上海出身の周斌(しゅう・ひん)さんは1995年に法輪大法の修煉を始め、法輪大法が人の道徳を高め、国にも人にも有益な功法だと実感した。しかし法輪功迫害が始まった。周さんは、仲間たちと共に大量の法輪功の真実を伝える資料や横断幕を作成し、気球に乗せて空中から散布する方法で北京に配布した。その際、当局に逮捕され、12年の懲役刑を言い渡された。

拘置所や刑務所では長時間の手錠拘束、電気ショック、警棒で殴打などの暴行を受けた。また刑務所では3.3平方メートルの監房に長時間閉じ込められ、食事や排泄も、その中でしなくてはならなかった。、周さんは12年間、信仰を放棄せず修煉を続けた。

もともとは健康だった周さんの身体は12年の迫害の中で、腰の骨が折れ、左右の肋骨も折れ、左の睾丸は破裂し、歯は折れ、右手親指の腱は断裂した。また出所後も、私服警官に尾行され、写真を撮られたり、地元の警官が家まで脅しに来たり、3 歳の娘は幼稚園に受け入れを拒否されるなど、当局は嫌がらせや脅迫をし続けている。

周さんはこれらの体験から、中国共産党の邪悪さと厚顔無恥ぶりを、はっきりと認識することができたと語る。

孫俊(そん・しゅん)夫妻の証言

昨年、中国の刑務所から釈放された孫俊(そん・しゅん)夫妻は、。2人とも修煉前は深刻な健康状態だったが法輪功の修煉をはじめてからすっかり回復した。しかし2016 年、夫妻は法輪功を弾圧・迫害したとして江沢民を告発し迫害を受けた。

夫の孫俊さんは大連市拘置所に収容され、懲役7年2か月の判決を受けた。刑務所では呼吸ができないようにビニール袋を頭からかぶせられたり、靴の裏で頭や顔を殴られたりするなど暴行を受けた。

妻の張霞さんは2001年 11 月、転向を強要する中共当局の要求を拒否したため、大連市公安局によって 2 年間の拘禁を受けた。

その後、2016年勤務時間中に拉致され、大連の拘置所では、ほとんどの歯を抜かれ、薬物を飲まされた。それ以来、張霞さんは錯乱状態に陥り、現在も重度の記憶喪失、極度の恐怖、歩行困難に苦しみ続けている。

孫俊さんは妻の介護を続ける中、中共の嫌がらせは止むことはなく、孫俊さんは逃げるようにして妻とともに来日した。

孫俊さんは「私たちは中国共産党が邪悪な悪魔であり、その事を認識し、遠ざけなければならない」ことを世界に伝えたいと訴えている。

(続く)