しかし、中共統治下の中国の地で、本当の正義を求めることは容易ではない。その理由を端的に言えば、法律も憲法も、裁判所も、全てが中国共産党の「支配下」にあるからだ。
中共の官僚たちは、私利私欲のために権力を乱用し、自分たちにとって不都合なことは全て弾圧する。そのため、これまでに数えきれないほどの冤罪や不公正な事例を生み出してきた。
被害者たちは声を上げることもできず、陳情しようとすれば政府から容赦なく弾圧されてしまう。
そうしたことから、最近では、北宋時代の清廉潔白で公正無私の名裁判官「包公」を祀った廟(包公祠)に跪いて拝み、自身が受けた冤罪や不当な扱いを泣きながら訴えるブームが巻き起こるに至った。
政府職員が、暴力団員を雇って襲撃
政府の弾圧を受ける、山東省の民営企業家・張楓英さんは今月11日、エポックタイムズの取材に応じた。
張さんとその夫、胡正秋さんは今月10日、山東省政府の不作為を訴えるために裁判所へ向かう途中、7台の車から降りてきた、政府職員を含む20数人の男によって追いかけ回され、とり囲まれ、集団暴行を受けた。
その男たちは、体の大きさや獰猛な態度から、地元の暴力団員であることが分かる。政府職員が、暴力団員を金で雇ったのだ。
事件当時、張さんから助けを求める電話を受けて駆けつけてきた娘さんまで、当局者たちの車によって衝突され、ケガを負わされている。娘さんにぶつかった車は、逃走した。
張さんたちはこの件について、警察に通報した。その後、病院で手当てを受けている時、先ほど逃走したと思った暴漢が戻ってきて、なんと病院内に侵入。張さん一家の携帯電話を強奪し、家族にさらなる暴行を加えた。
くり返すが、そこは病院である。張さんは腰を折られ、腎臓にも損傷を負った。一家は現在も、暴行を受けたことにより負傷し、入院している。
加害者側の 男たちは、病院の複数ある出入り口で見張りをしているという。
この件について、張さん一家は何度も警察に通報したり、政府のホットライン(12345)に電話をかけているが、誰も介入してくれないという。
3年間におよぶ「不当な投獄」
張楓英さんは、かつて工場を経営する民営企業家だった。しかし、所有していた工場が、裁判所と結託した人間によって秘密裏に取り壊され、財産を略奪された。その後、生活のために北京で働くことを余儀なくされた。
2021年2月27日の中共の「両会」期間中に、張さんは出勤途中に地元政府が派遣した暴力団員によって拉致され、そのまま3年間、不当に投獄された。
昨年末に、ようやく「3年の刑期」を終えて出所したものの、出所当日に刑務官によって殴られ、腰を負傷している。
出所後の張さんは、山東省政府の不作為を訴えるために、北京にある陳情局に出向いたこともある。
『悪魔が世界を統治している』第十章「法律を利用する邪悪」に、次のような一節がある。
「実際、中国で法律が遵守されたことなどない。改革開放が始まった1979年、中国共産党は刑事訴訟法を可決し、表向きには司法制度を強化した。しかし、これはうわべを偽装するために過ぎない」
正当な権利を主張する市民を不当逮捕し「3年の刑期」を言い渡すものは、もちろん正常な司法ではなく、確かに「法律を利用する邪悪」と呼ぶしかない。
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