米連邦最高裁判所は3月4日、ドナルド・トランプ氏が、今年の大統領選挙に参加できると判断し、同氏の名前を投票用紙に載せることを許可した。トランプ氏はコロラド州のケースで勝利を収め、最高裁の判断により、複数の州で起きていた同様の訴訟が終結したということである。
3月4日の判決は、コロラド州最高裁判所が昨年12月19日に出した判決を覆した。その判決では、2020年の選挙結果を覆そうとした試みが失敗したため、トランプ氏は再び大統領に立候補する権利を失ったとされていた。
米最高裁判所は「スーパーチューズデー」(3月5日)の前日に行動を起こし、5日にはコロラド州を含む14の州と1つの地区で、大統領予備選が行われる。
最高裁の判事たちは一致して、トランプ氏をコロラド州の共和党予備選から除外する決定を覆した。同州の法廷は、ほとんど使用されることのない合衆国憲法修正第14条を根拠に、トランプ氏の公職再就任資格を認めないでいた。今回、9人の最高裁判事は、各州が単独で連邦候補者の資格を取り消す権利がないと裁定したことになる。
最高裁判所は署名のない意見書の中で、「私たちの結論は、各州が州内の公職者やその候補者の資格を取り消すことはできる。しかし、憲法(修正第14条)第3項に基づき、特に大統領の職に関しては、各州にはその選挙資格を決定する権利がない」という結論に至った。
最高裁判事たちは、この憲法条項に基づく連邦官僚や候補者に対する実行は、国会のみによって可能であるとした。
トランプ氏は共和党の大統領候補指名をリードしており、ほぼ確実に、11月5日の米大統領選挙で民主党のジョー・バイデン大統領に挑戦する。トランプ氏の唯一の残りの党内指名競争者は、元サウスカロライナ州知事のニッキー・ヘイリー氏である。
「アメリカの大勝利!!!」と最高裁の判決後にトランプ氏は自身のソーシャルメディアプラットフォームに書き込んだ。
コロラド州のジェナ・グリスウォルド州務長官は声明で、「最高裁判所の判決は、トランプ氏がコロラド州の2024年大統領予備選の有資格候補者であることを確認した」と述べた。
コロラド州の裁判所は、トランプ氏の選挙参加を禁止する「反逆罪」を適用した最初の裁判所であった。その後、イリノイ州やメイン州の裁判所も同様の判決を下したという。
修正第14条第3項は、憲法を守ると誓った官僚が反逆行為に従事した場合、その者は政府職に就けないと禁じている。
この条項は1868年に制定され、奴隷制を支持した旧南部連合の支持者が、連邦政府の職に就くのを禁じることを意図していた。しかし、過去150年間で、この条項は基本的に使用されることはなく、廃れていた条項である。
最高裁の判決は、スーパーチューズデーの前夜に出され、5日は米大統領予備選周期の中で、ほとんどの州が党の予備選を行う日である。
この判決は、最高裁の判事が審理する案件の中で、トランプ氏に関連する唯一の歴史的な案件ではない。4月、判事たちはトランプ氏の主張、つまり彼が2020年の選挙結果を覆そうとする陰謀に関する刑事告発から、大統領特権により免除されるべきだという論点を聞く予定である。この案件はトランプ氏に対する4つの起訴のうち3つに影響を及ぼす。彼は全ての91項目の告発に対して、無罪を主張している。
コロラド州の昨年の状況では、4人の共和党有権者と2人の無所属有権者が「ワシントンの公民責任と倫理のための市民団体」(Citizens for Responsibility and Ethics in Washington, CREW)の支持を受けて訴訟を起こし、トランプ氏を予備選から除外することを求めていた。
これに対して、去年の12月19日、コロラド州最高裁判所は4対3でトランプ氏を投票用紙から除名する判決を下していた。
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