旧正月休みが過ぎたら「離婚ブーム」が到来 番号札すら取れないほどの混雑ぶり=中国

2024/02/21
更新: 2024/02/22

旧正月が明け、連休が過ぎたばかりの中国では「離婚ブーム」が巻き起こっているようだ。

「民政局(中国で結婚や離婚の届けを出す役所の部門)における離婚ブーム」は、今月20日の中国SNSのホットリサーチ入りした。

旧正月の休みが明けた民政局の業務日の初日(今月18日)。この日に結婚手続きをするため、民政局へやってきた安徽省淮南市の女性がいた。ところが、彼女がそこで目にしたのは「離婚手続きを待つ」長蛇の列だった。

この日、結婚登記を行うカップルが5組であったのに対して、「離婚行列」のほうは100組近くいた、という。中国メディア「山東商報」が報じた。

この旧正月明けの各地の民政局での混雑ぶりについては、中国SNS上でもホットな話題になっている。関連コメントの一部を、以下に紹介する。

「正月が明けたら、離婚する番号札(整理券)すら取れない。手続きの予約枠まで満杯。予約できるのは5日後だ」

「旧正月の長期休暇中に、夫婦一緒にいる時間が長くなると、それだけトラブルが多くなる。もう我慢の限界、ということか」

「これから結婚登記しようというカップルが、あの離婚の長蛇の列を見たら、結婚する気も失せるだろうな」

「民事局に勤める妻によれば、いまは結婚する人数は離婚する人よりはるかに少ない。(離婚するつもりだが)子供の大学入試が終わるまでは我慢する、という夫婦が多い」

「広東省仏山市でも離婚登記所は大混雑だ。あの長蛇の列を、もう何度か見かけたことがある。あれを見たら結婚するのが怖くなっちゃったよ。だから、いまの恋人とは別れるつもりだ」

中国では近年、離婚率は上昇傾向にある。中国民政部のデータによると「昨年の離婚率は43.53%」という驚異的な数字にまで達してしまった。 つまり、10組の夫婦のうち、4組以上が離婚を選択している、というのだ。

しかし、中国共産党政府による公式統計は、信ぴょう性が低いとされている。そのため、実情はもっと深刻な可能性がある。

中国では、離婚率がうなぎ上りに上がるなか、若者の結婚率のほうは低下の一途をたどっている。

その原因は明確で、ともかく経済が破綻した今の中国は、すさまじい就職難などで、生活基盤があまりにも不安定で過酷すぎるからである。そのため若者が、とても人生の希望をもてるような環境ではない。

また、結婚して子供をもつことは中国人の伝統的な価値観ではあるが、今の中国の異常な状況下では「この国に生まれた我が子は、必ず不幸になる」と考える若者が多い。

そのため今では、自身を「最後の世代(最后一代)」と位置づけ、あえて結婚しないことを選択する若者も少なくない。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。