日伊首脳会談 G7結束強化、国際課題について議論 

2024/02/06
更新: 2024/02/06

2月5日午後6時45分、岸田文雄首相は、訪日中のジョルジャ・メローニ・イタリア首相と会談し、その後、ワーキング・ディナーを行った。

岸田首相はメローニ首相の訪日を歓迎し、イタリアが議長を務める今年のG7の成功に向けて、また、近年の飛躍的な日伊関係の進展を更に推し進めるため、しっかり議論したいと表明した。これに対し、メローニ首相から、昨年のG7日本議長年における成果をしっかりと引き継ぐと共に、二国間関係を一層促進させたいと述べた。

岸田首相は、昨年のG7広島サミットでは、法の支配、G7を超えたパートナーとの関係強化という二つの視点に焦点を当てて議論を行い、ウクライナ情勢、核軍縮、インド太平洋、経済安全保障、AI、地球規模の課題等への対処において、G7の結束を示すことができた旨述べ、G7日本議長年の成果を説明した。

メローニ首相は、昨年のG7議長国としての日本のリーダーシップを評価しつつ、本年のG7議長国として、昨年の成果を踏まえた取り組みを継続したいと表明し、イタリアの優先課題について説明した。

岸田首相は、本年のG7プーリア・サミットの成功に向け協力を惜しまないと述べ、両首脳は、引き続き緊密に協力していくことで一致した。

岸田首相は戦略的パートナーであるイタリアとの間で、各分野において具体的な協力案件が進展していることを評価しつつ、とりわけ防衛・安全保障分野においては、海軍種間の共同訓練や空母打撃群を含む艦艇の寄港に加え、日伊英による次期戦闘機の共同開発が計画どおり進んでいることを歓迎すると述べた。両首脳は、共同開発の円滑な進展に向けて、一層努力していく点で一致した。

経済分野においては、本年4月の社会保障協定の発効や、半導体に関する協力等に触れつつ、経済関係の強化に官民一体となって取り組む意向を示した。メローニ首相は、様々な分野において日伊関係が深化していることを歓迎しつつ、更なる関係強化に向けて、宇宙・科学技術を含む様々な分野で緊密に意思疎通していきたいと述べた。

両首脳はまた、国際社会が直面する諸課題への対応において、グローバル・サウスと呼ばれる途上国・新興国とも協力することが極めて重要であるとの認識を共有した。引き続きG7として、具体的な協力策を打ち出していくことで一致した。

イスラエル・パレスチナ情勢に関し、両首脳は、ガザ地区の人道状況を改善することが極めて重要であるとの認識の下、昨年のG7の取り組みについても振り返りつつ、本年のイタリア議長下のG7においても、人質の即時解放、人道状況の改善、事態の沈静化に向けて努力を強化していくことで一致した。

ロシアによるウクライナ侵略に関し、両首脳は、国際社会の対応を主導するG7の役割は極めて重要との認識を共有した上で、本年のG7においても、引き続き緊密に連携してくことで一致した。

両首脳は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応や、中国を含む東アジア情勢についても意見交換を行い、G7の場を含めて緊密に連携していくことで一致した。

人工知能(AI)に関し、岸田首相は、イタリアがG7広島サミットの成果を引き継ぐとしていることを歓迎した。両首脳は、安全、安心で、信頼できるAIの実現に向け、引き続きG7で主導していくことを確認した。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。