熊本県で半導体工場を建設中の半導体委託生産最大手・台湾積体電路製造(TSMC)は29日、熊本の第2工場に関する坂本哲志農林水産相の発言を受け、「更新情報はない」と発表した。詳細は明かさなかった。
RKK熊本放送によれば、坂本氏(熊本3区)は28日、TSMCが第2工場を熊本県菊陽町に建設する予定で、早ければ2月6日に正式に発表する可能性があると、地元の首長会議で述べた。
これに対し、TSMC幹部側は「日本政府と協議中」(劉徳音会長)、「検討している」(魏哲家最高経営責任者)と発言している。
日本での第2工場建設について、もし建設が決定されれば、7ナノメートルまたは16ナノメートルの製造プロセスを担うとされる。
いっぽう、坂本氏の発言をめぐっては、日本の危機管理体制に問題があるのではないかとの声も上がっている。
日本政府が1兆円の建設費用のおよそ5割を補助した菊陽町の第1工場は、2月24日に開幕式を行われ、今年の第4四半期に量産を開始する予定。特殊な製造プロセスを用いたウェハー工場で、12、16、22、28ナノメートルの製造プロセス技術を採用する。
米中競争によるサプライチェーンの枠組みが明確化する中で、TSMCが日本への投資をさらに拡大するかどうかが注目される。戦略物資と例えられる半導体は安全保障から暮らしの安定性に至るまで影響をもたらす。
TSMCは今年4月にも日本での第2工場を建設を始め、さらには第3工場を建設し、3ナノメートルのチップの生産を検討中だと昨年米ブルームバーグなどが報じている。
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