健康的なコーヒーの飲み方とは?

2024/01/27
更新: 2024/01/27

 

毎日適量のコーヒーを飲むことは、心血管疾患やがん死亡のリスクを減らし、うつ病や不安症を抑制するだけでなく、新型コロナウイルスとの闘いにも役立ちます。台湾大学医学部名誉教授の張金堅博士が、コーヒーの正しい飲み方のコツを紹介してくれました。

抗炎症作用と老化防止作用

コーヒーの定期的かつ適度な摂取は、代謝の改善、抗炎症、痛風や糖尿病リスクの軽減、寿命延長に役立つとされています。

2017年に「ネイチャーメディシン」誌(ネイチャー誌のサブジャーナル)に掲載された研究では、コーヒーが炎症性サイトカイン・インターロイキン-1β(IL-1β)を減少させ、がんや心血管疾患などのリスクを低減させ、寿命を延ばす可能性があることが示唆されています。

この研究では、加齢に伴う心血管系疾患や死亡のリスクは、血液中を循環する核酸代謝産物や異化産物によって引き起こされる炎症プロセスと表裏一体であることがわかりました。カフェインとその代謝産物は、この炎症を抑制する効果があります。慢性的な炎症は、さまざまながん、心血管疾患、関節炎、アルツハイマー病や認知症、さらにはうつ病を引き起こす可能性があります。

コーヒーの長生き効果は、コーヒーに含まれる他の栄養素と関係している(PIXTA)

コーヒーの長生き効果は、クロロゲン酸、フェルラ酸、トリゴネリン、カフェストール、焙煎過程で生成されるメラノイジンなど、コーヒーに含まれる他の栄養素と関係しています。これらの物質はある程度、抗酸化物質として機能します。

コーヒーの飲み方をマスターして効果を高める

張金堅教授は普段、毎日午前に2杯、午後に1杯、計3杯のコーヒーを飲みます。同氏は胃食道逆流症にかかっており、空腹時にコーヒーを飲むと症状が悪化します。通常は食後にコーヒーを飲み、消化管への刺激を軽減するために牛乳を加えています。平日の仕事が忙しいときは、主にドリップバッグコーヒーを飲みます。時間があるときは自分でコーヒー豆を焙煎して挽きます。時には、ケーキやビスケットと一緒にコーヒーを楽しむこともあります。

多くの人はブラックコーヒーを推奨していますが、現在の研究では、ミルク入りのコーヒーの方がより効果的であることが判明しました。ミルクに含まれるシステアミンがコーヒーのポリフェノールと結合して複合体を形成し、抗炎症活性を向上させるとされています。コーヒーにクリーミングパウダーや砂糖を加えることは推奨されません。クリーミングパウダーには健康に不利なトランス脂肪酸が含まれています。砂糖を入れると不必要なカロリーを摂取してしまう可能性があります。

ミルク入りのホワイトコーヒーの方がより効果的(PIXTA)

睡眠に影響しないように、1日に1杯のコーヒーを飲む方に、おすすめの飲む時間は朝10時です。1日に2杯以上飲む場合は、2杯目は午後3時か4時に、眠気がする時に飲むと良いでしょう。これにより、元気を取り戻す手助けになります。また、睡眠障害のある人は夜にコーヒーを飲まない方がいいです。特に夜の7時や8時以降はコーヒーを飲まないでください。

コーヒーの選び方については、効能の観点から言えば、産地や淹れ方の違いによる差はあまりないので、自分の好みに従えばよいでしょう。

ただし、コーヒーの過剰摂取は、不眠や興奮などの副作用を引き起こすことがあるので注意が必要です。また、骨粗しょう症の人、不眠になりやすい人、12歳以下の子どもは、コーヒーの摂取量に注意するか、できるだけ控えたほうがよいです。

(完)

Jojo
安柏