経団連の安永竜夫・日本ブラジル経済委員長は1月17日、岸田文雄首相を訪問し、日本と南米南部共同市場(メルコスール)経済連携協定(EPA)の早期実現を求めるシンポジウムの声明を手渡しした。
安永委員長は鉱物資源・食料供給力を備えたメルコスールと、技術力に優れている日本は相互補完の関係にあることを強調した。EU、韓国などがメルコスールとのEPAを進めており、日本が貿易投資面で遅れをとることに危機感を示した。
これに対して岸田首相は経団連の取り組みに謝意を表明。メルコスールとの経済関係を強化する方法を議論する意向を表明し、引き続き協力いていきたいと述べた。
シンポジウムの声明によると、メルコスールは、人口3億人、GDP2兆ドルを超える一大経済圏であり、日本はメルコスールに、自動車、機械、電気機器など多くの工業製品を輸出するとともに、日系企業が1,000を超える拠点を構え、雇用創出や輸出拡大を通じて、長年、現地の経済社会の発展に貢献してきたという。また、日本はメルコスールから、鉄鉱石、リチウム等の鉱物資源ならびにトウモロコシ、大豆等の飼料をはじめとする産品を輸入しており、戦略的にも極めて重要な経済パートナーであると述べられている。
また、今年、G20の議長国はブラジルであり、来年はペルーがアジア太平洋経済協力(APEC)の議長国となる。多くの日本の政治リーダーが南米を訪れることになり、日本とメルコスールEPAの早期実現に向けて、この機を逃してはならないと強調した。
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