米議員、中国発SHEINの強制労働問題に透明性求める IPO申請めぐり

2024/01/09
更新: 2024/01/09

中国発のファッション通販大手SHEINシーイン)が米国で新規株式公開(IPO)を米当局に申請していることをめぐり、リック・スコット上院議員らは3日、問題視されている同社の強制労働の利用などの問題について、透明性を確認するまでは、IPOを認めないよう証券取引所に求めた。

複数の米メディアは昨年11月、シーインが米国でのIPOを米当局に申請したと報じた。2024年に上場する可能性があるという。同社は本社をシンガポールに移したが、製品のほとんどは中国で製造している。

スコット氏とボブ・ケイシー上院議員は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック証券取引所(NASDAQ)に宛てた書簡で、シーインが新疆ウイグル自治区での強制労働を利用していないことを確認し、財務記録の透明性を高めるまでは、同社の米国での上場を認めないよう求めた。

この書簡では、2022年のブルームバーグの報道を引用し、米国に出荷されたシーインの衣料品を専門機関が検査した結果、強制労働が横行する新疆ウイグル自治区で作られた綿花が発見されたと指摘した。

また同書簡は、シーインが強制労働によって作られた物品の米国への輸入を禁じる「ウイグル強制労働防止法」の抜け穴をかいくぐって、米市場への輸出を続けている可能性があると指摘。

800ドル(約12万円)未満の衣類品はデミニマス免税として知られる簡略化された手続きで米国内に輸入できるため、米国税関・国境警備局(CBP)の監視を逃れて米国に届いている可能性があると述べた。

スコット氏は昨年「中国共産党の意のままに運営されている企業のIPOを認めることは、自由で開かれたシステムと資本市場の完全性を傷つけるだけだ」と強調していた。

シーインのIPOをめぐっては、これまでも潜在的なリスクを懸念する声があがっており、昨年8月には米国16州の司法長官が米証券取引委員会(SEC)に書簡を送り、サプライチェーンで強制労働が行われていないか監査を求めた。

2022年に発表されたアイニュースの調査報道「SHEINマシーンの裏:語られない事実」は、広東省広州市にある縫製工場で労働者は失敗で賃金不払いのペナルティを課されたり、長時間労働を強いられていると結論づけている。

大紀元日本 STAFF
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