中国国内の労働者デモが昨年に比べ2倍に増加 「政権崩壊の可能性が高まっている」=専門家

2024/01/09
更新: 2024/01/09

製造業の中心地広東省、最多のデモ…不動産詐欺の抗議集会も急増

2023年、中国で行われた労働者デモが前年比2倍に増加したことが確認された。中国の分析専門家は、このようなデモの増加が中国共産党の没落につながる可能性があると予測している。

香港に拠点を置く非営利団体、中国の労働問題を調査している「中国労働通信(CLB)」は関連報告書を通じて「2023年12月31日基準1年間、中国で1779件の労働者デモが発生した。これは大規模な解雇、賃金削減、事業場の閉鎖などと関連した団体行動だ」と明らかにした。

カナダ在住の元中国弁護士で時事評論家の頼建平氏はエポックタイムズのインタビューで、「大規模なデモの発生は中国経済危機の必然的な結果だ」と述べた。

続けて、「このような一連のデモが中国共産党政権の崩壊につながる可能性がある」と付け加えた。

全国的な労働者デモ

中国経済は厳格な封鎖措置解除後もリオープン(経済活動再開)効果を享受できず、依然として低迷の泥沼に陥っているようだ。

CLBは報告書で、海外バイヤーの注文減少、経済状況の悪化などにより、中国メーカーが労働者を大規模に解雇したり、工場を閉鎖していると明らかにした。

これによると、労働者たちは賃金削減、解雇などに抗議し、補償を求めるデモを行っており、このようなデモは中国全土で起きている。

デモが最も多く発生したのは中国の製造業の中心地である広東省で、2023年だけでも510件のデモが発生した。

2番目に多くのデモ(108件)が発生した地域は山東省で、河南省と陝西省がそれぞれ100件で続いた。また、北京33件、上海47件、重慶35件、天津25件と集計された。

その他のデモ

日本の「日経アジア」によると、2022年6月~2023年10月までに中国で不動産関連のデモが1777件発生した。

同メディアは「これは主にプロジェクトの遅延、契約違反、詐欺疑惑などと関連した住宅購入者と所有者のデモ」とし、「建設労働者が賃金未払いに抗議するデモも多かった」と分析した。

2023年7月21日には、中国陝西省西安市の保護者数千人が集まり、学生の教育機会を制限する政府政策に反対するデモを行った。

中国当局の情報統制と隠蔽により、このデモの実際の規模は正確に把握されていない。

頼建平氏は、「最近、中国で行われているデモや人権擁護運動にはますます多くの人々が参加しており、彼らの声はかつてないほど激しくなっている」と述べた。

また、「現在、中国の多くの人々が極度の貧困に苦しんでいる。彼らは正当な権利を守り、生計を維持するために立ち上がるしかない状況だ」と付け加えた。

米国と豪州で活動する中国問題の専門家である李元華教授は、中国の労働者たちの広範なデモは『生存への意志』から生まれたもので、中国共産党(中共)内の特権層が社会的資産を略奪してきたため、中国の労働者は限界に追い込まれ、生存まで脅かされた彼らが必死に抵抗に出たのだと指摘している。

李教授は「中国の社会福祉システムは崩壊寸前であり、労働者階級に対する支援は皆無である。結局、彼らは生存のための闘争をしなければならない」と語っている。

政権崩壊の可能性

また李教授は、「中国共産党は権威主義的な支配体制を維持するために、反体制派やデモ隊を容赦なく弾圧している」と述べ、その一方で中共は、中国の労働者が生存のために必死に闘うため、中共の弾圧を恐れていないことを最も懸念していると述べた。

頼建平氏は、中国共産党がデモ弾圧に全力を尽くしても、現実的に全国的なデモ運動をすべて鎮圧することは不可能で、中共は現在、広範な挑戦に直面している、中国政権の崩壊の可能性を示唆していると指摘した。。