中国経済が悪化の一途をたどるなか、瀕死の状態である各地方政府をはじめ、国有の大手銀行であっても、生存をかけて、あらゆる手段を使ってお金を捻出している実態がある。
中国の大手商業銀行「招商銀行(CMB)」がこのほど、従業員に対して発した「過去に支給した業績給の返上」を求める公告が物議を醸している。
招商銀行は2023年12月28日夜に監督委員会の決議公告を発表。会議で「2022年度の業績給与の回収状況に関する議案を可決した」と公表した。
早くも2023年3月から、招商銀行が公表する「2022年度の年次報告書」のなかに、経営や管理上の様々なリスクを軽減するため「報酬支給の延期」および「業績給を回収するメカニズムを構築する」として、すでに2876人の行員に対して業績給の回収措置を実施したと記されていた。
回収された報酬の総額は5824万元(約11.6億円)だった。これは1人当たり2万元(約40万円)ほどの給与が回収されたことになる。
招商銀行に限らず、興業銀行、中信銀行、中国民生銀行、中国光大銀行、平安銀行、浙商銀行、哈爾濱銀行(ハルビン銀行)、無錫農村商業銀行など、中国の六大国有銀行を含む多くの銀行でも、招商銀行と同様の「業績給回収措置」を講じていることが、各銀行の「2022年度の業績報告書」のなかに記されている。
2022年以来、中国各地の教員や公務員も、地方政府から業績給の支給が差し止められる事態が明らかになっている。
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