2023年12月9日、四川省成都市にある省の陳情局内で撮影されたとされる衝撃的な映像が、ネット上に拡散されている。
動画のなかで、暴行を受けて負傷したと思われる男性が床面に横たわっている。そのそばには数人の警察官らしき人物が立っている。一人の警察官はカメラを手にもち、現場の記録映像を撮っているようだが、頭部から流血する負傷者に対して、声かけをしたり、救命や止血など適切な措置をとっている様子は見られない。
動画投稿者による説明では、「どこかの現地役人が雇った刺客が、陳情局内で陳情する市民を阻止するために暴行を加え、市民の頭をかち割った。負傷した市民の様子からして、命が危ない」と書かれている。
中国国内の真実を伝えるセルフメディア「海外爆料(@zhihui999)」が伝えた。
(動画のなかで、暴行を受けて負傷したと思われる男性が床面に横たわっている)
この時、負傷した陳情者がその後どうなったか。さいわい一命を取り留めたかどうかは、わからない。
また、この映像以外の状況証拠は得られないので、このような事態に至るまでの経緯については確認できない。
関連動画のコメント欄には、「ついに白昼堂々(裏ではなく)陳情局内で手を出したのか」と、現地当局の恐るべきやり方に驚くコメントが多く寄せられている。
中国において、民衆による政府機関への陳情は合法的な権利である。そのため、中国の各地方で起きる不正や権利侵害などの被害を訴えるため、民衆が、地方および北京にある陳情局へ申し立てる事例が後を絶たない。
こうした陳情民の存在は「不正の主体」である地方政府にとって厄介者であり、地方の問題を中央政府に知られることになるため、その口を事前に封じたいと思うのが本音だ。
そのため、省や北京の陳情局に訴える陳情民を、地方から派遣された要員が狙いをつけて拘束し、暴力的に地元へ連れ戻すケースは後を絶たない。
この映像にある光景からしても、民衆に陳情されては都合がわるい地方政府が「刺客」を雇い、狙いをつけた相手を襲撃させた背景が想像される。
ただし、そのことを、この映像だけで断定することはできない。はっきりしていることは「政府機関である陳情局内で、瀕死の重傷を負うほどの、凶悪な暴行事件が起きた」という事実である。
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