中国で拘束されていた豪州在住のジャーナリスト、成蕾(チェン・レイ)氏は27日、恣意的に身柄を拘束される恐れがあるとして、中国渡航を控えるよう注意喚起した。
豪ABCのQ+A番組に出演したチェン氏は「世間知らずの人には行ってほしくない。もし行くのであれば、リスクについて十分理解した上で判断してほしい」と述べた。
「何に気をつけなければならないかを考えなければならない」と指摘し、中国共産党による、“国益”や“国家安全保障”を名目とする主張には「特に警戒すべき」と強調した。
中国国営メディアの英語放送局CGTNの司会者だったチェン氏は2020年8月、国安部関係者に突然拘束された。「携帯電話を通じて中国の国家機密を海外の機関に渡した」として、北京の裁判所は有罪判決を下した。3年2か月にわたり拘束され、先月釈放されたばかり。
豪州の作家、楊恒均氏もスパイ容疑で2019年から中国で拘束されている。同氏は中国共産党の政治体制の矛盾や腐敗に対して非難の声を上げていた。
成氏の釈放を受けて、楊氏の家族は豪州のアルバニージー首相に手紙を送り「もうひとつの奇跡(楊氏の釈放)」を中国に働きかけるよう求めた。
豪ABCのQ+A番組では視聴者に「中国に安心して旅行できるか」どうかを尋ねたところ、回答者の55%が「行かない」、35%が「行く」、10%が「わからない」と答えた。
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