検問所も難なくスルー 中国の公立病院の救急車が「麻薬運搬車」に繰り返し使用

2023/11/27
更新: 2023/11/27

最近、中国河南省の市レベルの公立病院の救急車が「麻薬運搬車」として使用されていた話題が、中国のSNSのホットトピックに上がった。林州市の仁濟医院の救急車は、昨年のパンデミック中に「私的な仕事」を引き受け、市外へ320回以上、省外へ40回以上、何度も麻薬を運んでいた。

この事件は、河南省安陽市の検察院が取り扱っている麻薬所持の犯罪事件で偶然に発覚した。林州市仁濟医院の職員が何度も救急車を使って麻薬取引を行っていたという。

中国のメディアの報道によると、2022年5月7日の早朝、河南省の高速道路出口で救急車が停止され、警察による検査の結果、約50グラムの麻薬が見つかり、車内の王容疑者が逮捕された。王容疑者は、救急車による濮陽市への麻薬購入は今回で「3回目」だったと述べている。

また当時はパンデミック防疫期間で、基本的に自動車は市外への移動が許可されていなかった。濮陽市と安陽市林州との間は約200キロメートルの距離があるため、麻薬をスムーズに購入するため、知り合いの紹介で林州市仁濟医院の救急車運転手である代さんと連絡を取った。

2022年1~5月にかけて、代さんはこの救急車で3回にわたり、王容疑者を濮陽市へ連れて行き麻薬を購入した。報告によると、王容疑者は毎回、代さんに1千元(約2万1千円)から1500元(約3万1千円)の運転料金を支払っていた。

代さんは、これまで救急車で「私的な仕事」をしていた際には、一度も検問所での検査に遭遇せず、ほぼ障害なく移動できたと供述している。

王容疑者は訴えられ、後に1年の有期懲役と1万元(約21万円)の罰金を科せられた。一方、代さんに対する処分は公式には明らかにされていない。

関連する車両の認可情報によると、問題の救急車は林州市衛生健康委員会により認可され、仁濟医院に属している。同院は主に微細外科手術を行っており、外傷性骨折、椎間板ヘルニアなどを治療していた。

仁濟医院はこの事件との関係を否定する声明を発表したが、検察官は高速道路の監視記録を調査し、仁濟医院の救急車がわずか1年の間に、市外に320回以上、省外に40回以上出入りしていたことを発見した。

さらに、同医院の救急車と同様の「不正な掛け合わせ」が行われた車両は、合計6台に上る。その中で、安陽市明一骨科医院には3台の救急車が不正に登録されていた。

李浄
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