事故で指1本が切断された女性 手術の11日後に、なぜ死亡した?=中国 安徽

2023/11/18
更新: 2023/11/18

安徽省合肥市の農民が機械に巻き込まれて、手の指を1本失った。紹介された病院で接合手術が行われたが、11日後に死亡したことがわかった。

10月31日、安徽省合肥市に住む農民の女性は、農業用機械を操作する際に、機械に巻き込まれて右手の中指が切断された。女性はすぐに家族によって、切断された指とともに、医療レベルの高い公立病院へ運ばれた。接合手術をして、指をつなげるためである。

ところが診察後、救急科の当直医から、その理由は不明だが「うちではすぐに手術することはできない」と告げられた。

「指をつなげる手術は早ければ早いほど良い。手術を行える他の病院を紹介する」として、当直医は電話で女性の手術の手配をし、紹介した病院への行き方まで教えたという。そう言われた家族は、迷う暇もなく、急いで女性をそちらの病院へ運んだ。

紹介先の病院で、その日のうちに女性の指をつなげる手術が行われた。医師からは「手術後、10日ほどで退院できるだろう」と言われていた。ところが11月11日朝、女性は突然昏睡状態に陥ることになる。蘇生処置が行われたが効果はなく、そのまま死亡した。

女性が死亡した後、その家族はようやく、手術を施した病院が「私立病院」であることを知ったという。なお、これは「中国の私立病院」であり、日本の民間病院を指すものではない。

指を1本失うことは、もちろん大けがではあるが、通常は生命に危険が及ぶことはない。たとえ指の接合が成功しなかったとしても、それが死亡につながるとすれば、医療ミスなどの、さまざまな人為的ミスが考えられる。

「なぜ全国的にも有名で医療レベルの高い公立病院(最初に行った病院)の医師が、あえて患者を私立病院に紹介したのか。まさかあの医師が、向こうの病院から紹介料を貰っているのではないか」

「そのうえ、紹介された私立病院の医療レベルが低かったから、母親は死んだのではないか」

死ぬはずのない患者が死んだことで、女性の息子である張氏は、関係した医師や病院を疑っている。11月10日には、女性はベッドから起きて、息子の張氏が買ってきたケーキを食べた。ところが翌11日に突然死亡したのである。

実際、指が切断された女性は、とくに健康上の問題はなかった。女性の死後、家族は、女性の病歴などの検査記録を調べたが「(持病などの)異常はなかった」という。

「いったいどういうことなのか、説明してほしい」と、女性の息子や遺族が現地の衛生当局を通じて病院に説明を求めたものの、病院側は今も「無回答と無視」を貫き通しているという。

病院側が隠蔽しているため、女性の死因は今も不明のままだ。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。