今月6日午後、江蘇省南京市にある「鼓楼医院」で、4階ホールの天井が突然崩落する事故が起きた。
ここは病院内ではあるが「思わぬ事故」で負傷者も出た模様。地元当局によると、この事故で「1人」が負傷。事故原因については「不明」とされている。
「病院で負傷する」という世界一の不運
天井が落ちるという明確すぎる結果が出ているのならば、事故原因は「工事不良」であったからに他ならない。ただし、その真相について、今後どれほど明らかにされるかは、まさに「不明」である。
いっぽう、病院が「思わぬ事故」に見舞われたことで注目が集まり、ネット上には「いつもの通りの声」が広がった。いつも通りとは、つまり「また、おから工事(手抜き工事)か?」の声である。
国家そのものが「おから工事」の中国
中国で欠陥住宅を無数に生み出してきた手抜き工事は、豆腐のおから(豆腐渣)のように、手で砕けるほど脆いことから「おから工事(豆腐渣工程)」と呼ばれている。
その原因として、住宅の品質や企業の社会的責任よりも、利益追求をはるかに優先する風潮が絶えないことが挙げられる。こうした「おから工事」は、中国では以前から大きな社会問題となっていた。
その「品質のひどさ」は、まさに桁外れである。排水管の亀裂、天井や電気系統の欠陥、壁のひび割れ、あらゆる所からの水漏れ、ガラス窓が外れそうになっているなど、とても「新築物件」とは思えないようなものばかりだ。
なかには素手で、いや「指一本で穴があく」という石膏ボードのようなコンクリート壁。足で踏むと「砕ける」階段。さらには「鉄筋代わりに竹を使用した住宅」など、とても信じ難いものもある。(動画はこちら)
こうした不良建築を生み出す究極的な原因は何か。それは、今の中国という国家そのものが「手抜き工事」であるため、腐敗が常態化した病的な社会になっていることが挙げられるだろう。
だからこそ、この「欠陥建築」は一度完全に解体し、腐った部分を除き、地ならしと基礎工事を徹底的にやり直すところから始めなければならない。
そうでなければ、病院も、学校も、幼稚園さえも、いつ天井が落ちたり、床が抜けたりするか知れないからだ。今ある「おから工事(豆腐渣工程)」の建物は、まことに恐ろしい。
(中国のおから工事住宅。素手でちぎってとれる薄っぺらいコンクリートの壁。SNS投稿動画)
(中国のおから工事住宅。鉄筋も入っていない住宅。床が抜け落ちそうだ。SNS投稿動画)
(中国のおから工事住宅。この天井は、いつ崩落しても不思議ではない。SNS投稿動画)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。