「わざと床に物を落とし、生徒に拾わせる」小学校教師の不可解な行動=中国

2023/11/05
更新: 2023/11/05

最近「教師による屈辱の下で育つ子供たち」という、まことにショッキングなタイトルがついた動画が華人圏で拡散され、物議を醸している。

動画のなかにある光景は、目を疑うほどひどいものだった。中国の、どこかの小学校で、低学年とみられる学級での場面である。担任教師は女性で、若い新人ではなく、おそらく中堅どころの先生であろう。

まずは、この30秒ばかりの動画が、どのような状況で撮影されたのかを想像しなければならない。

子供たちの動きからして、これがヤラセによるフェイクであることは(ヤラセの目的が何かもふくめて)考えにくい。

だとすれば、この教室の実態を問題視する「誰か」が、担任教師に気づかれないように、教室外の廊下あたりから「隠し撮り」したものであろうか。撮影者の目的は確認できないが、この信じられない光景は、どうやら事実であるらしいのだ。

教壇に立つ女性教師は、クラスの生徒の名前を呼びながら、何か封筒に入ったような配布物を該当する生徒に渡している。ただしその封筒を、生徒に手渡す場合は少ない。ほとんどが足元の床面に、まるで捨てるように落として、それを生徒たちに「拾わせている」のである。

見たところ「床に落とされたものを拾う」生徒たちの動きに、よどみはない。そうするとこの担任教師は、普段からこのように「わざと床にものを落とし、それを生徒に拾わせている」のだろうか。

感情的な表現は控えたいが、この担任教師は、すでに頭がおかしい。

あるいは、何らかの理由でよほど人格が変形してしまい、精神の正常さを失った人間が「何かの間違いで教壇に立っている」のだろうか。

教育とは、必ず明確な目的をもって行われるものである。その目的とは、生徒や学生の心身の健全な発達、および知力の向上を促進することで、その生徒や学生の人生が幸せになるものでなければならない。それが教育の究極的な目的であり、教師が担う使命なのだ。

では、このような「教師による屈辱」は、いったい何を目的として生徒に与えられるのか。

生徒の自尊心をとことん傷つけて、教師の言うことに無条件で従わせるためか。上下関係を叩き込み、何でも言うことを聞くような「良い子」に育てるためか。

言うまでもないが、それは教育では絶対になく、子供たちの精神に対する恐るべき加害行為である。

この動画の投稿者が、これを撮影した人であるかどうかは、わからない。ただ投稿者は、この動画にこんな言葉をつけている。

「匪国的韭菜很多从小就在这种垃圾老师的羞辱下成长,谁上学经历过这种老师的评论区留言哦」

その意味は「この中国というゴロツキ国家において、刈り取られるニラのような人々は、幼いころから、こんなゴミ教師に屈辱を与えられて育つのだ。どなたか、不幸にして学校でこのような悪質な教師を経験してしまった人は、いるだろうか。いたらぜひ、コメント欄に書いていただきたい」である。

そのリクエストに応えるように、動画には「私が小さい時にも、そういう(ひどい)教師がいたよ」というコメントが殺到している。

中国の学校の教師は今、給料もろくに支給されないまま、日々の授業をしている。

中国の全ての教師が、上記のような「ゴミ教師」であるとは思わないし、もちろん良い先生もいるはずだ。しかし、社会が「瀕死の重病」を患っている今の中国においては、学校の教師でさえも気がおかしくなることは、少なからぬケースとしてあるのかもしれない。

 

(配布物を足元に落として、それを生徒に拾わせる小学校の担任教師。目を疑う光景だが、実際に、日頃から生徒にそうさせているらしい)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。