今月27日、安徽省六安市のある女性は「退職した会社から支払われた給料が、すべて硬貨だった」と、SNSで動画などを通じて訴えた。
女性によると、「私は、突然解雇を言い渡されたため、自分のもらうべき給料の支払いを繰り返し求めただけだ。しかしボスは『硬貨での支払い』という形で私に報復した」という。
女性は仕方なく、支払われた約3,000枚の硬貨入りの袋(10数キロ)を抱えて、なんとか家に持ち帰った。家で硬貨の枚数を数えることを余儀なくされたが「そうやって硬貨を繰り返し数えさせて、私を侮辱したんだわ」と女性は憤慨した。
この件を知った現地メディアは、女性に硬貨を支払った元勤務先に取材した。女性の「元ボス」は「賃金の支払いに硬貨を使用してはならないという法律はない」と回答したという。
このような「悪意をもって、給料を硬貨で支払う」ケースは近年、中国でたびたび起きている。
例えば2021年9月上旬、河北省滄州市の養豚場で働く李さん夫婦は亡くなった故郷の親族の葬儀に参加するため、雇用主の許可を得て休みをとった。
しかし、いざ職場に帰ってみると、生産を滞らせたことを理由に給料の支払いを拒否されたという。
この後、李さんによる再三の要求の末、雇用主は夫婦の給料8,000元(約16万円)を、数万枚の「1角(約2円)の硬貨」を使って支払った。硬貨の枚数にすれば約8万枚になる、はずだった。
李さん夫婦は、硬貨を一枚ずつ数えることを余儀なくされた。すべてを数え上げるのに夜中までかかったが、なんと全部で半額以下の3,500元しか支払われていないことが判明した。
怒った李さんは警察に通報した。その後、雇用主は仕方なく「銀行振込み」にしたという。中国メディア「河南テレビ」の番組「大参考」が報道した。
ほかにも、2020年9月、四川省内江市の張さんも美容関係の会社を退職した後、元の会社との間での労働仲裁により6000元余り(約12万円)の金銭補償を貰えることになった。ところが会社は、そのお金の支払いに「3万枚以上の硬貨」を渡したという。
企業による、このような嫌がらせや報復ともとれる行為について、ある中国メディアは、弁護士に聞いたことがある。その答えは「不適切ではあるが、違法ではない」だった。
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