中国の病院で生後2カ月の赤ちゃんが「B型肝炎ワクチン」と「ポリオワクチン」を接種したところ、その40時間後に死亡していたことが確認された。
赤ちゃんの両親である伍さん夫婦(湖北省荊州市)は25日、中国メディア「大象新聞」に対して「我が子の死は、地元の病院で行った予防接種に関係がある」として、予防接種が死因であると訴えている。
接種後の異常反応を「正常だ」といった病院
伍さんによると、ワクチン接種は今月2日に行われた。接種した直後は、子供に異常は見られなかった。ところが翌日の午後になると、子供に、泣き叫びや寝ないなどの異常な様子が見られたという。
母親である伍さんの妻が、急ぎ病院に連絡したところ「それは正常な反応だ。熱が39度以上になっていないなら、病院に連れて来なくていい」という回答が返ってきた。
しかし、ワクチン接種から40時間後の4日午前1時ごろ、母親が見たとき「(子供は)すでに死亡していた」という。出稼ぎ労働者である伍さんは、家を離れていたため「(生きている時の)我が子の顔を見ることもできなかった」と涙を流した。
その後、伍さんは警察に通報した。それから何度も地元の病院や保健当局、司法鑑定機関などに対してこの件について訴えたが、いずれの部署からも「納得のいく回答は得られていない」という。
25日になって、衛生当局の職員は「疾病対策予防センタ−も『ワクチンは合格品』だと言っている。現在は検死の結果待ちの状況だ。結果が出るまでに通常は30日以上かかる」と述べた。
この事件は、中国のネットで拡散され注目を集めた。亡くなった赤ちゃんを悲しみ悼む声とともに、中国における「ワクチンの安全性」をめぐる懸念が広がっている。
関連投稿に寄せられたコメントのなかには「うちの子が生後3カ月の時、百日咳の予防ワクチンを接種した。ところが翌日から咳が出始め、本当に百日咳にかかった。そのことをワクチンの担当部門に話したが、無視された」といったものもある。
ワクチン被害者は「膨大な数に上る」
実際、中国では「ワクチンによる事故」が相次いでいる。ワクチン被害者は膨大な数に上るが、彼らの存在は、長年にわたり当局によって圧殺され、その無念の思いは今も晴らすことができていない。
今年2月、中国のワクチン被害者家族1,385人が、国務院(内閣に相当)と国家衛生健康委員会(国民の衛生と健康を担当する部門)を相手取り、共同で提訴した。
しかし、そこへ署名した被害者家族の大部分は、北京に行けないよう警察から妨害され、行くな警告を受けた。今の中国では、北京へ上京するなど移動のためのチケットを購入する際には、個人情報が照会される。そのため、そこで警察の妨害を受けるのだ。
それでも、なんとか北京入りを果たした数人が裁判所に向かい、訴状を提出したものの「受理を拒否された」という。
NTD新唐人テレビの取材に応じた、ワクチン被害者の一人である銭さんは、次のように語った。
「国産(中国製)の新型コロナワクチンを接種した後、白血病や糖尿病、脳梗塞などに罹患した人は非常に多い。しかも、家族が健康被害を受けた多くの家庭は、高額な医療費を負担できない。そのことを当局に陳情しても、相手にされないのだ」
「多くのワクチン被害者家族は、当局の『安定維持リスト』に載っている。そのため(北京へ)陳情しようとすると、地元警察によって妨害されたり、逮捕されたりしている。(陳情局のある北京へ行く)チケットを購入した途端に警察の監視下に置かれてしまう。警察からは『悪あがきをするな。あきらめた方がいいぞ』などと脅迫されている」
「声を上げる人」を不当逮捕する当局
華秀珍さんは、国務院と国家衛生健康委員会に対する共同訴訟の発起人である。
その華さんが、提訴に向けて準備をしていた時も、警察や当局の安定維持要員によって逮捕され、不当に拘束されていたことがわかった。
華さんは、上海のワクチン被害者・譚華さんの母親である。ワクチン接種後に健康被害を受けた娘の権利擁護をしたために「社会秩序騒乱罪(尋釁滋事罪)」を言い渡され、1年余り投獄されたうえ年金まで剥奪されている。以来、華さん親子は収入の道を断たれ、ずっと物乞いのような生活をしてきた。
NTDの取材に対して、華秀珍さんは「国家衛生健康委員会は(加害の)当事者であると同時に、審判でもある。これはワクチン被害者とその家族にとって、極めて不公正なことだ」と訴えた。
中国のワクチン被害の実態は「その被害を受けて、声を上げる人」を不当逮捕する当局によって、ますます隠蔽されている。
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