またも民衆による集団略奪 付近の村民が「トウモロコシ畑を襲う」=中国 河南

2023/10/22
更新: 2023/10/22

今月14日、河南省周口市のトウモロコシ畑で、数百人の村民がトウモロコシを奪い去る事件が起きた。

被害に遭ったのは500畝(ムー)規模のトウモロコシ畑で、トウモロコシを奪った村民は、ほとんどが中高年だったという。(中国の1畝は約6.667アール。15畝が1ヘクタールに相当)

当初、村民たちは収穫機械が通った後の「収穫もれのトウモロコシ」を勝手に拾っていた。これももちろん、許可を得て拾っていたわけではない。

ところが、やがて事態はエスカレートし、収穫前のトウモロコシ畑に及ぶ「集団略奪」に至ったようだ。

SNSに投稿された事件現場を映した動画を見ると、奪いに来た村民のものと思われる三輪車がトウモロコシ畑ちかくの路上にたくさん停められている。この車に載せて「獲物」を運ぶつもりだったのか。略奪現場には、地元の警察が駆け付けて制止するものの、目を血走らせた村民の略奪行為は続いたようだ。

最終的に村民たちは交渉や説得の末、その場を去ったという。ただし、奪ったトウモロコシは持ち去られた。

略奪が起きた原因について、ある地元民は「農民の土地は、ほとんど地方政府によって強制的に徴用され、土地開発業者に売り飛ばされた。土地を失った農民たちは生計を立てることができない。生き延びるためには、盗賊にもならざるを得なくなった」と話した。

同ニュースは、翌日に中国SNSのホットリサーチ入りするなどして、注目を集めた。

河南省では、先月末にも野外音楽フェスティバルで大規模な窃盗事件が起きた。窃盗の犯人は今回と同様、付近の村の住民たちとされている。

 

(10月14日、河南省周口市で起きたトウモロコシ畑の集団略奪)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。