崩れゆく中国経済  路線バス運転手が「数カ月も無給」で運行停止に

2023/09/22
更新: 2023/09/21

近年、中国各地の路線バス企業は、経営難により運転手など職員の給料を支給できない状態が続いている。数カ月から十数カ月の長期間にわたって給料が支給されないため、運転手らによるストライキ事件は後を絶たない。そのため、一部の都市では、公共交通である路線バスの運行停止を余儀なくされている。

今月18日、湖南省の2つの県で、経営難により路線バスが運行停止になったことがわかった。現在、現地政府と話し合いがなされており、バス利用者には「運行は、補助金が下りてから再開する」と伝えている。

 

9月18日、湖南省のある県で「9月20日より、市内全域で路線バスが運行停止」を告知する知らせ。(中国のSNSより)

これに先立ち、今月10日「3カ月も給料をもらっていない」と天津市の路線バス企業に勤める職員が、SNSを通じて会社役人に対して給料の支払いを求める投稿が拡散され、注目を集めた。

先月16日には、山東省の路線バス企業に所属する運転手が、5カ月分も給料が支払われていないことに抗議して、集団でストライキを起こしたことがニュースになっていた。

今年7月には河北省保定市、2月には河南省商丘市の路線バスが「運行停止」を宣告している。

昨年12月26日、河南省濮陽市の路線バスの運転手は「16カ月も給料もらえていない」ことに抗議して集団でストライキを行った。「我われの稼いだ金を返せ(還我血汗錢)」と書かれた横断幕をバスの車体に掲げた動画がSNSに流出している。

 

2022年12月26日、河南省濮陽市。バスの車体には「公共バスを運行しても給料が支給されない。我われの血と汗の金を返せ」という抗議の言葉。(SNS投稿動画よりスクリーンショット)

 

2年前の2021年11月1日、河南省平頂山市の路線バス運転手がストライキを起こし、路線バスが運行停止になった。SNSに流れた動画のなかには「私たち(運転手)は8カ月も給料をもらっていない。裏方スタッフのほうは1年以上も、もらっていない」などと訴える運転手の姿があった。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。