どこまで進む「監視大国」中国 「カメラで埋め尽くされた教室」

2023/09/27
更新: 2023/09/27

中国が「監視大国」であることは、今や誰もが知る事実である。それにしても、SNS上には「そこまでやるか?」といった趣旨の、過剰な監視ぶりを伝える投稿がしばしば上がっている。

ここでは、そのいくつかをご紹介しよう。

監視カメラだらけ「刑務所のような教室」

例えば、下の画像は、湖南省のある学校の「監視カメラで天井が埋め尽くされた教室」だ。

監視カメラは中国のどこにでもあるが、さすがにこれは「やり過ぎだ」「ここは学校なのか。それとも刑務所か?」といった批判の声が寄せられた。

さらに「これではプライバシーも何もない」「見ているだけで息が詰まりそうだ」など、学生の心の健康を懸念するコメントも多く寄せられている。

 

(NTD新唐人テレビの報道番組よりスクリーンショット。湖南省のある学校の教室。天井に並ぶ監視カメラに「ここは刑務所(監獄)か?」の声も。)

 

(2019年、広東省広州市の、ある中学校の教室。監視カメラの映像を管理するモニター画面で、生徒全員の行動(頭の動き)を記録し、数値で評価している。これでは、うっかり「居眠り」もできない。)
 

(2021年3月23日に撮影された、重慶のとある大学の教室内の風景。黒板の周囲には、8つの監視カメラが設置されている。)

 

町の清掃員には「サボり防止ウォッチ」

「奴隷社会の鞭(むち)より、いくらか文明的ではあるが…」と題されたSNS投稿がこちらだ。

下の写真は、江蘇省南京市で町の清掃員に携帯が義務づけられた「スマートウォッチ」である。これが、なかなか恐ろしい時計。いや「腕輪」なのだ。

勤務時間内に20分以上同じ場所に留まると、この腕輪から「もっと頑張って、仕事しなさい!(中国語:加油干活)」という音声が、自動的に繰り返し流れるのだという。

清掃員のサボリ防止に、さぞや効果的であろう。しかし、こうした機械は、そもそも「人間」というものを全く信用していない。労働者に、相応の報酬と、働くことの誇りを与えれば、人は責任をもって働くのである。

はじめから人間を信用しない文明の利器は「奴隷社会の鞭」と大して変わらないものだ。中国全土を埋め尽くした「監視カメラ」は、今の中国が、歴史を逆行した奴隷社会であることを証明しているのかもしれない。
 

(南京市で町の清掃員に携帯が義務づけられた「スマートウォッチ」。20分以上同じ場所に留まると「もっと頑張って、仕事しなさい!(中国語:加油干活)」という音声が流れる。)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。