傷だらけの遺体が語る「法輪功迫害24年の真実」 四川省の刑務所より

2023/08/16
更新: 2023/08/16

【閲覧注意】本記事には、ご遺体の動画や写真が添付されています。ご注意ください。

それはもちろん「氷山の一角」である。同様の犠牲者は中国全土にいて、その総数は知ることができない。

10年前、そして10年後の今、傷だらけで血まみれの遺体が同じ刑務所から発見された。この刑務所は「四川嘉州監獄」という。ここは不法に投獄された四川省内の法輪功学習者に対し、長年にわたって残酷な拷問を加えてきた悪名高い場所である。

昨年12月、この監獄(刑務所)において、法輪功学習者で元ラジオ局司会者の龐勳さん(30歳)は「非正常な死」を遂げた。遺体を引き取りに行った母親や親族が見たものは、痩せ細った体で、別人のようになった龐勳さんだった。体には、電気ショックによるとみられる火傷の跡など、ひどい傷やアザが無数にある。絶命するまで残酷な拷問を受けていたことは明らかだった。

10年前にもこの場所で、法輪功学習者の徐浪舟さん(39歳)が、同じく「非正常な死」を遂げた。徐さんは監獄長の命令により、まる7日間吊り上げられ、暴行を加えられていた。その遺体にも、生々しい傷跡が無数に残されていた。

元ラジオ局の人気司会者・龐勳さん

法輪功情報サイト「明慧網(ネット)」によると、2020年7月26日、四川省成都市の自宅にいる龐さんは見知らぬ人間がノックする音を聞いたが、身の危険を感じ、ドアを開けなかった。

その後、勤め先の上司から「すぐに会社に来るように」という電話もあったが、彼はそれを断った。それから、誰かがまたドアをノックして「上の階で水漏れが起きている」と告げる。まもなくして自宅の電気が断たれた。自宅の外の廊下には、誰かが見張りをしていることに気づいていた。龐さんは翌日、職場に出勤する際に拉致された。

龐さんは以前、他の法輪功学習者である王幼萍さんとともに、集合住宅(団地)内で法輪功に関する真相を伝えるチラシを配布したことがある。その時監視されていたことが関係して、警察に拉致されたものと考えられる。

龐さんはその後、5年の実刑判決を受けた。もちろん、法輪功を修煉することは中国のいかなる法律に照らしても違法ではない。全ては、共産党の支配下にある中国の司法が極めて恣意的に法律を運用することによって、例えば「国家転覆扇動罪」などを、いくらでも乱発できるのである。

こうした不当判決により服役していた龐さんであったが、刑期が残り2年ほどという時に、獄中で「非正常な死」を遂げた。龐さんの母親が、火葬前の息子を撮影した映像には、全身に生々しい打撲痕の残る龐さんの遺体が写っていた。

龐勳(30歳)さんの生前の写真(左)と遺体写真(右)。

 

(龐勳さんの生前の写真と遺体動画)

 

元交通警察の優秀警察官・徐浪舟さん

四川省攀枝花市で交通警察に勤務していた徐浪舟(39歳)さんは、法輪功を修煉してから何度も「優秀警察官」に選ばれた。同市のテレビ番組までも、徐さんに関する特別報道を行ったことがある。

言うまでもないが、迫害開始前は、警察官でも軍人でも、共産党員でさえも「法輪功」を愛好していた。中国の早朝の公園には、職業を問わず出勤前の多くの人が集まって法輪功の集団煉功をおこない、一日を明るく、健康的に過ごしていたのである。

法輪功は、修煉を通じて「良い人になる」ことを説く。それは社会に有益でこそあれ、何の問題もなかった。

ところが嫉妬心の権化である江沢民は、世の中に「良い人」が増え、そちらが爆発的に人気を博すことに耐えられなかった。

1999年7月から、江沢民の独断命令のもと、中国共産党による法輪功迫害が中国全土で始まった。その後まもなくして、優秀警察官の徐浪舟さんは、不当に職を解かれた。

徐さんは2000年から、3年間の「労働教養(労働を通じた再教育、という名目の思想改造)」 を受けた後、出所した。ところが2004年4月、攀枝花市の公安局によって拉致され、8年6カ月の実刑判決を受けた。だが、刑期が残り半年という時に、彼は獄中で死亡したのである。

理由は、徐さんが法輪功を修煉することを放棄しなかったため、祝偉という名の監獄長の命令を受けた刑務官によって丸7日間、ロープで吊り上げられ暴行を加えられたからだ。徐さんは後に病院へ搬送されたが、しばらくして死亡が確認された。2012年3月18日だった。

徐さんの母親は、息子の遺体の火葬に同意せず、証拠を隠滅しようとする刑務所に説明を求めて司法解剖を要求していた。しかし、最終的に司法解剖は刑務所の手配したところで行われた。解剖結果は「非正常な死亡」と記されていただけであった。

70代の年老いた母親は、2013年だけで200通以上の、息子の無実を訴える手紙を送っていた。さらに母親は息子の「病気治療のための仮釈放」を申請していたが、刑務所側は「(徐浪舟が)修煉を放棄する声明を書かなければ、申請を受け付けない」と告げた。

法輪功の修煉を放棄せず、強靭な信念によって「転向声明」を書かない徐さんは、ついに死ぬまで迫害されたのである。

徐浪舟さんの写真(左)と遺体写真(右・死後3日目に撮影)。 (明慧ネットより)

 

法輪功迫害「24年の真実」

四川嘉州監獄の多くの刑務官や、刑務官の手下のものたちは、法輪功学習者に対して公然と、こう脅す。「もしお前が転化(法輪功を放棄)しないなら、死ぬまで迫害するか、障害が残るほどに痛めつけるぞ」。

この刑務所では、法輪功学習者に「転化」させるために、刑務所長の祝偉が「発明」したという「吃秒飯」と呼ばれる拷問手段が用いられている。

「吃秒飯」は、受刑者に与えられる食事時間はわずか約20秒で、食器を手に取ることは許されず、床に置かれた食物を、足を組んで座禅した状態で腰を折り、頭だけを下げて食べさせる。

残酷で、じわじわ苦しめるこの拷問を経験した人によると、早い人で4口、遅ければ2、3口しかごはんが食べられないという。数日もすれば体重が減りはじめ、やがて骨と皮の体になってしまう。

この刑務所では「吃秒飯」のほかにも、法輪功学習者の肉体と精神を痛めつけるために多くの非人道的な方法が用いられている。わかっているだけでも、以下のような拷問方法がある。

ぐらぐらに沸いた熱湯を、頭からかける。顔面や目に唐辛子の水をかける。ロープで吊るし上げて、暴行を加える。房(ぼう)のなかでの集団暴行。寒冷期の夜に外へ出して、凍らせる。猛暑の季節に、直射日光に長時間さらす。注射などで毒薬を投与する。長時間立つことを強要する。おもちゃのような「小さなイス」に長時間座らせる体罰。鼓膜が破れるほどの大音響を聞かせる。男女を問わず、性器など体の局部に電気ショックを与える、などがある。

明慧ネットによると、同刑務所の所長だった祝偉は在任中の11年間、法輪功学習者を「転化」させ、残酷に迫害するための十数種の拷問方法を発明(考案)した。

その「政治的功績」は中国共産党中央委員会や四川省から「称賛」された。ただし祝偉は、2019年にがんを患って病死している。

中国当局の役人は、法輪功学習者に対し、煮え立った熱湯を浴びせる拷問を行っている。再現写真。(明慧網)
中国当局が、拘禁中の女性法輪功学習者の下腹部を踏みつける拷問を行っている場面を再現した絵画作品。(明慧網より)

 

今も続く迫害を前に、人類がなすべきこと

今年の7月20日、中国共産党(中共)による法輪功迫害が始まってから24年を数えた。米国務省や複数の議員は同日、中共による憎悪に満ちた人権弾圧を非難するとともに「米国が法輪功を支援する」ことを改めて表明した。

法輪功は法輪大法(ファルンダーファ)とも呼ばれ、佛家の伝統に根ざした中国古来の精神修養法である。1992年から一般に公開された法輪功は、その著しい健康効果や精神安定効果、費用を一切求めない紹介方法によって、たちまち人気を博し、中国全土に広まった。

当時は中国国内だけで、推定7千万人から1億人の法輪功学習者がいたとされる。しかし、これを脅威とみなした当時の江沢民総書記は、1999年7月20日より大規模な法輪功弾圧を実施した。

この法輪功迫害は、24年後の現在も続いている。中国本土では何百万人もの法輪功学習者が収容施設に入れられ、拷問や臓器狩りで命を落としている。

来たる8月20日正午過ぎより、東京の浅草で日本在住の法輪功学習者と支援者による「反迫害パレード」が行われる。

中国共産党の悪魔的本質を全世界の人々が知り、中共を完全に解体することこそが、その迫害を停止させ、ひいては狂った中国を根底から「正常な国」にもどす唯一の方法である。そのために、このような「反迫害パレード」は世界各地で行われている。

それゆえに「中国政府への抗議デモなら、中国へ行ってやれ」という一部の指摘は、日本とは関係ないという思考と同じ意味において、当たらないことになる。

なぜならば、日本人がこれを「日本とは関係ない」と考えた途端に、中国共産党を認めてしまうことになるからだ。つまりこの場合、無関心は「容認」と同義になり、それこそ中共の思う壺なのである。

その証拠に、他国からウイグルやチベットの人権問題について批判されると、中国外交部の「戦狼」は決まって「内政干渉するな!」と、ほとんど狂乱的な反応を示す。痛い所を突かれて騒ぐのは、それが図星だからに他ならない。

何の罪もなく、善良な庶民が、全く理不尽に、大量に殺されるのが、今の中共の中国である。

人命を羽毛より軽視するという意味では「人為的な洪水」も「無謀なゼロコロナ政策」も同様である。しかし、臓器収奪(臓器狩り)という悪魔のビジネスを思いつくに至っては、やはり中国全土で大量の法輪功学習者を秘密裏に監禁する「臓器バンク」の存在なくしては語れない。

中国共産党は、共産主義の洗脳に全く騙されず、真善忍をもとに自身を向上させ「良い人」になろうとする法輪功の存在を、吸血鬼が恐れる十字架のように恐れ、忌避する。

それゆえに、中共は法輪功を「3カ月で消滅」させようとした。しかし、24年経っても消滅させることができなかったばかりか、それによって中共の悪魔的本質が全世界に暴露されたことは、もはや動かし難い「歴史」となった。

天に唾する大罪を犯した中国共産党は、これから急坂を転げ落ちるように、徹底的な壊滅へと進む。

法輪功迫害を命じた江沢民は、昨年11月に死んだ。しかし法輪功迫害は、中共が中共である限り止めることができないため、現在も続いているのだ。

そこで、神の側に立つか、悪魔に魂を売るか。まもなく滅ぶ中共を前にして「どちらを選ぶか」が、日本人をふくむ人類全体に、いま問われている。無関心であることは、できない。
 

米国で「反迫害パレード」を行う法輪功学習者たち。(Edward Dye/The Epoch Times)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。