中国出身の米海軍兵士2人を起訴 在日米軍基地のレーダーシステム設計図など中国に渡す

2023/08/04
更新: 2023/08/09

米司法省は3日、中国の情報将校の指示に従い、米軍の機密情報を渡したとして、米海軍兵士2人を起訴したと発表した。在日米軍基地のレーダーシステムの設計図も含まれていた。米連邦捜査局(FBI)は、中国による「執拗で攻撃的な取り組み」と指摘し、スパイ活動の一環だとの見方を示した。

逮捕・起訴されたのはカリフォルニア州の海軍基地に勤務するジンチャオ・ウェイ被告(22)とウェンヘン・チャオ被告(26)。米メディアによれば、2人とも中国出身の米国籍保有者。

起訴状によると、チャオ被告は、インド太平洋地域で行われる大規模な米軍演習の非公開の運用計画を中国側に送っていた。米海軍艦艇の位置情報や装備品、航行ルート、戦術に関する文書のほか、沖縄の米軍基地に配備されたレーダーシステムの電気系統図や設計図も撮影して送信したとされる。

チャオ被告は2021年8月から2023年5月までこうした活動を繰り返し、少なくとも約210万円の報酬を中国側から受け取っていた。

いっぽう、強襲揚陸艦「エセックス」の機関士として務めていたウェイ被告は、昨年3月に逮捕されるまでの間、中国当局者に艦船の操作システムなど記したおよそ30冊のマニュアルを提供し、5000ドル(約70万円)の報酬を受け取っていた。中国当局者はこのうち少なくとも10冊は「役立つ」と認めたとされる。

さらに昨年8月には、輸出規制の対象となっている強襲揚陸艦などの艦艇の動力構造や運用の詳細を記した26冊のマニュアルも提供した。中国当局者は、被告に証拠隠滅を指示していたとされる。

米司法省の国家安全保障部門責任者、マシュー・オルセン氏は「国家安全保障を脅かす中国とそれを援助する者たちを抑止するために、あらゆる法的手段を使い続ける」と強調した。

大紀元日本 STAFF