中共の誤情報キャンペーンが急速に進化=メタ社

2023/07/26
更新: 2023/07/26

Facebookの親会社であるメタ社は「北京(中共政府)が行う偽情報キャンペーンが急速に進化し、目標とする国々で社会的不和を引き起こそうとしている」と豪政府の調査に対して明かした。

メタ社の豪州公共政策責任者、ジョシュ・マチン氏は、調査の中でメタ社が把握している組織的な不正行為(CIB)ネットワークのうち、51%が中国から発生し、活動の増加を受けて過去7か月間で取り下げられたと明らかにした。

「過去 7 か月ほどの間に、中国を拠点とする攻撃者による戦術とアプローチに大きな変化が見られた。過去4年間にわれわれが活動した中国発のCIBネットワークのうち50%が過去7か月間で停止された」とマチン氏は語った。

同氏は、トロールファーム、広告、報道機関の協力、非政府組織(NGO)、またはその他、尊敬される第三者を含む、彼らは、偽情報ネットワークによって使われる新しい戦術の数々を目の当たりにしていたと指摘。

トロールファームまたはトロールファクトリーとは、人の政治的意見や意思決定などに干渉することを目的とし、SNSで誤情報を拡散する集団のことである。

その例の1つは、中国を拠点とする運営者が「New Europe Observation」というブログサイトを立ち上げ、中国やウイグル族のコミュニティをターゲットに、気候変動により難民となった気候変動難民に対する欧州の対応、東欧における保守政治の復活、植民地主義をめぐる反欧米感情など、左派の政治問題の宣伝を通じて社会的分断を助長するものだった。

「それは、台湾からサハラ以南のアフリカ、日本に至るまで、世界の非常に広範な地域を対象としたネットワークであり、特にウイグル族のディアスポラと世界中の人々を対象としたものでした」とマチン氏は語った。
 

Threads、官製メディアにラベルを付ける

メタ社の代表者らは調査に対し、ユーザーがメディアと他の情報源を区別できるように、新華社通信やThreads上のRT(ロシア・トゥデイ)などすべての官製メディアにラベルを付ける方向で動くと述べた。

「タグやラベルに関する広範な機能、またはそれらのユーザーについて提供できる追加情報やコンテキストはすべて、製品の開発を続ける私たちにとっての最優先事項だ。確かに、そのような完全性対策を導入することが私たちの願望だ」とマチン氏は語った。

メタは、Threadsのポリシーに違反する官製メディアをすべて削除すると表明した。

「FacebookやInstagramと同様に、官製メディアがわれわれのポリシーに違反している限り、今日すぐに削除する」とメタ社の代表者は述べた。

中共政府は投稿監視を一切していない

メタはまた、調査に対し、中国でのコンテンツ管理には一切関与していないと述べた。

「豪州のような国で、これらの種類の状況を解決できる枠組みを設定できる場合がある。しかし、中国のような国では、私たちのサービスが禁止されており、異なる結果が生じる」とメタの地域政策責任者であるミア・ガーリック氏は語った。

同氏によると、メタ社は最近、ウクライナ戦争に関連したコンテンツで、誤った情報に関するポリシーの適用について、かなり重大な意見の相違があり、ロシアなどでメタのサービスが禁止されている。

「私たちは、受け取ったあらゆる要請をコミュニティの基準に照らして検討し、国際法と人権基準にも準拠して、現地でのさまざまな手続きを進めていくつもりです」とガーリック氏は述べた。

マチン氏は、メタ社はこれらの国での活動を考える際に、人権の枠組みを採用しており、特定のコンテンツへの取り組み方について拘束力のある決定を下すために監視委員会のような企業構造を利用すると述べた。

また、メタ社の透明性の推進の一環として、サービス上のコンテンツやユーザーデータに関連する全ての政府からの要求についての情報を年4回公開していると表明した。

豪州を拠点とする記者。豪州の国内政治とアジア太平洋地域、中東、中央アジアを取り巻く地政学的問題を専門としている。