CIAは「米国に対するクーデター」を準備している 注目の大統領候補ケネディ・ジュニア氏が語る(上)

2023/07/19
更新: 2023/07/21

今年3月、EPOCH TVのインタビュー番組「米国思想リーダー」にロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が出演し、米国の民主主義がいかに破壊され、全体主義的な支配へと移行しているかを語った。(日本語版の公開は5/27)

また彼は、米国で過去数十年にわたり行われてきたパンデミックのシミュレーションについて、自身が発見した不気味な共通点について紹介した。

さらに、叔父であるジョン・F・ケネディの暗殺にCIAが関与していたという疑惑についても見解を示した。

そして、多くの国民が国家に対する信頼を失っている今、いかに米国の理想を呼び覚ますかについて議論した。

以下に番組内のインタビュー全文を掲載する。

ロバート・F・ケネディ・ジュニア:
合衆国憲法の制定者たちは、大衆扇動者や暴君がデマや恐怖、プロパガンダを使って、教養のない国民を丸め込み、権利を放棄させる事を心配していました。権利とは、建国者たちがそのために戦い、場合によっては死んでまで獲得したものです。米国は、義務教育を導入した最初の国です。建国者たちは、無教養な国民がプロパガンダによって簡単に操られ、権利を放棄しうることを理解していたのです。

残念ながら、現在の人々はソーシャルメディアとレガシーメディアによって教育されています。レガシーメディアは縮小し、衰退していますが、ソーシャルメディアは情報機関や米軍、政府、規制当局によって完全にコントロールされています。彼らは共謀して、民主主義に対するクーデターを画策していたのです。マーク・ザッカーバーグやセルゲイ・ブリン、ジェフ・ベゾスなどのIT起業家たちは当初、ソーシャルメディアが世界を民主化すると約束していました。しかし、それらが全体主義の道具になるのを、私たちはこの1年で目の当たりにしました。

ヤン・エキレック(司会):
教養のある人は、デマや扇動、つまりプロパガンダに気づくはずだということですね。しかし、一つ例を上げると、カナダで政府のプロパガンダに異を唱えたのはトラック運転手たちでした。彼らは高い教養を身につけた層ではありません。

ケネディ・ジュニア:
非常に的確なご指摘です。私も衝撃を受けました。従来は最も教養のある人々が基本的人権を粘り強く守ってきました。マッカーシー時代でも、ベトナム戦争やイラク戦争の時代であっても、あらゆる攻撃から「政府を批判できる権利」を守ってきたのです。しかし突然、その能力を失ってしまいました。教養のある人々の客観的な思考力は、恐ろしく巧みなプロパガンダによって停止してしまったのです。

あなたもご存じだと思いますが、中央情報局(CIA)は何十年も前から、マインドコントロールの技術を研究してきました。これは妄想でも何でもありません。彼らのプログラムには、MKウルトラ計画のほか、MKナオミやMKデルタなどもあります。MKとは、マインドコントロール、つまり洗脳実験のコードネームです。彼らは、洗脳された暗殺者を作り出す方法を考案していました。

これについては、チャーチ委員会やロックフェラー委員会などの調査報告書があります。私が今言っている事は、反ワクチン派の戯言ではありません。これらは正式に文書化されていますから、議論の余地はありません。とにかく、彼らは大衆を洗脳する方法を考案していました。

外国の人々を一元的に支配するにはどうしたらいいでしょうか。まず、プロパガンダを使って恐怖を植えつけ、社会を分断して制度を無力化します。発展途上国に工作員を投入して混乱をもたらしてから、自分たちで介入するのです。CIAは、1947年から1997年の間に地球上の3分の1の国で起きたクーデターやクーデター未遂に関与しています

そのほとんどが民主主義国家でした。CIAの専門は公衆衛生ではありません。クーデターです。MKウルトラ計画では、彼らは科学者に報酬を支払い、社会統制の方法を研究させていました。個人を対象に、LSDのような幻覚剤を使った実験も行われました。感覚遮断、拷問、恐怖とプロパガンダ、強権的な命令など、これらすべてを用いて、何が有効かを探っていたのです。

トランプの選挙やブレグジットがあった2016年頃から、情報機関はそれらの兵器を米国民に対して使うことにしたようです。パンデミックの初期に、異常なプロパガンダ・キャンペーンがありました。「CIAが米国に対してそんなことをするわけがない」「米国でプロパガンダは違法だ」と言う人がいますが、それは違います。

オバマ政権時代、これを禁じていた古い法律が改正されました。また、ブッシュ政権時にも、2001年に制定された愛国者法で上書きされました。これによってCIAの権限が拡大したのです。彼らはこれらのテクニックを利用して、米国人を洗脳しています。モッキンバード作戦の復活です。モッキンバード作戦とは、大手の新聞社に属する何百人ものジャーナリストたちを使った作戦で、フェイク・ニュースを根気よく繰り返し流し続ければ、大衆を洗脳できるという意味です。

1973年にこの作戦が発覚しました。CIAは「米国ではもうやらない」と言いましたが、海外ではやっていました。繰り返しますが、これは議論の余地がないことです。CIAもそれを認めています。CIAは、主に国際開発庁(USAID)を通じて、年間数十億ドルもの資金をこれらのプログラムに投入しています。米政府は、ジャーナリズムに対する世界最大の資金提供者なのです。勿論、中立的なジャーナリズムに対してではありません。彼らが資金を提供するのは、米国のアジェンダを支持するジャーナリズムです。

米国は世界中でそれを行ってきたし、ほぼ間違いなく、ここ米国でも数年前から密かに行われています。突如として洗脳技術が国民に使われだしました。ところで、私はアンソニー・ファウチに関する書籍の中で、2019年10月にニューヨークで行われたパンデミックのシミュレーション「イベント201」について書きました。

これはビル・ゲイツや世界経済フォーラム、そして中国疾病予防コントロールセンター(中国CDC)が主催したものです。中国CDC所長のジョージ・ガオも参加していました。ソーシャルメディア企業や製薬企業、大企業のPR会社も同席していました。

ヤン・エキレック:
現在の国家情報長官もいたそうですね。

ケネディ・ジュニア:
ええ、現国家情報長官のアヴリル・ヘインズがいました。彼女は今や世界トップのスパイです。当時、彼女はCIAの副長官で、アブグレイブやグアンタナモ湾での拷問テープを隠蔽し、さらにそれらテープを違法に破棄したことまで隠蔽し、テープの破棄に加担した人々を庇いました。彼らは上院議会を違法に盗聴しましたが、ヘインズはそれも隠蔽し、CIAで地位を築きました。

彼女は隠蔽工作の団長のような存在であると同時に、バイデン政権のトップスパイです。その彼女が当時、CIAの元副長官としてパンデミックのシミュレーションに参加していたのです。参加してどうするのでしょうか。先ほど言ったように、CIAは公衆衛生の機関ではなく、クーデターを起こす機関です。彼らは、コロナウイルスの世界的なパンデミックで6000万人以上が死亡するというシミュレーションを行っていました。2019年10月に行われたその会議では、2ヶ月後に始まる本当のパンデミックよりも、ずっと多くの死亡者数を想定していたのです。

2020年1月8日まで、私たちはそのシミュレーションについて全く知りませんでした。彼らの議題は公衆衛生ではありませんでした。免疫強化に有効なビタミンDをどう手配するかでもなければ、人々をいかに健康に外出させるかでもありませんでした。人々の体重をどうやって減らすかでも、病人を隔離するのと同時にどう憲法上の権利を守り弱者を保護するかでもありませんでした。通常ならば、このような問題について話し合うべきです。

ところが、彼らが話し合ったのは、パンデミックを口実に全体主義的な締め付けを強化することでした。「言論の自由を制限しなければならない」「政府の政策に反論はさせない」「特にウイルスが研究室から漏洩したことについては話すことさえ許さない」ということでした。彼らがそう言っていた2019年10月の時点では、誰も武漢の存在さえ知りませんでした。その議論はアブリル・ヘインズが主導していました。

中国CDCのジョージ・ガオ所長は、コロナウイルスの専門家ですから、その時点でこのウイルスがすでに武漢で蔓延していた事を知っていたはずです。ちなみに、2019年9月、武漢の研究所はウェブサイトから2万2000種のウイルスサンプルを削除しました。一方で、病院がすでに満員になっていたことが衛星で明らかになっています。また、ハーバード大学やブラウン大学、ボストン大学が管理する投稿サイトでは、コロナウイルスの症状に関するコメントが飛び交っていました。

中国政府も、ジョージ・ガオも、それを知っていたはずです。彼は2019年10月に、CIAの副長官と共に、研究所漏洩説が出たらどう人々を黙らせるかについて話していました。CIAの副長官は「検閲するだけでなく、権威付けされた意見でいっぱいにする必要がある」と言いました。つまり、プロパガンダで他の声をかき消すということです。

彼らは、まさにそれを実践しました。私の本の最終章で書きましたが、こうしたシミュレーションは一回限りの出来事ではありません。CIAは炭疽菌事件の5ヶ月前の2001年に、シミュレーションを行っていました。彼らは、将来に起こることをすべて予測していたのです。シミュレーションには、CIA副長官のジェームズ・ウールジーや、ルース・デイビッド、タラ・オトゥールのほか、CIAが運営するベンチャーキャピタル「In-Q-Tel」やCIAから参加者が集いました。

彼らは、来たるべきパンデミックを利用して、米国の民主主義や基本的人権に対しクーデターを起こす方法を何度も何度も練習しています。非常に心配です。彼らが実行していることはすべて隠蔽されています。

ヤン・エキレック:
あなたの本の最終章で書かれていますが、彼らは「ウォーゲーム」を通して、パンデミック対策の様々なシミュレーションを行いました。どのシミュレーションも、あなたが言うような性質を持っていますね。しかし、歴史的に疫病に対して有効だった方法については、あまり議論されていなかったようです。むしろ、「パンデミック対策は今後こうあるべきだ」と人々を教化したいようにみえます。言ってしまえば、米国でクーデターを実行するための計画だ ったということになるのでしょうか。

ケネディ・ジュニア:
彼らの頭の中を見ることはできないので、そうだとも、そうではないとも言えません。ただ、何が起こるかを彼らが正確に予言していたというのはとても奇妙です。ちなみに、このシミュレーションの中には、「ロックステップ作戦」と呼ばれるものもあります。2020年3月以降、世界中の自由民主主義国家が、憲法上の権利や言論の自由とは反対の姿勢をとるようになりました。突然の方向転換です。

「イベント201」には、ほんの一握りの非常にパワフルな人たちしか参加していません。一方、他のシミュレーションには何十万もの人々が参加しています。彼らは米国、カナダ、欧州、豪州など、世界中の都市にいる緊急対応要員です。

中国ですら、幾つかのシミュレーションに参加したことがあります。これは極秘でしたが、参加者はランクの低い人たちでした。各都市の市長や、消防士、病院、公益企業、警察、FBI、CIA、連邦保安官などが参加しました。パンデミックでどう行動すべきかを訓練されたのです。

私がよく言うのは、例えばパンデミックに対応する時に、もし「憲法を撤廃し、言論を封殺しろ」と言われたらどうでしょう。普通の状況であれば、「それはおかしい」と皆が思うはずです。なぜそうする必要があるのかと、反発や疑問の声が上がるでしょう。しかし、何度も何度も繰り返してるうちに全員の足並みが揃い、つまり「ロックステップ方式」が確立されると、「そうだ。これが我々のやり方だ。これが専門家の見解だ」と言えるようになるのです。

これらのパンデミックには、常に名目上のリーダーがいました。マデレーン・オルブライト、トム・ダシュル、サム・ナン、ビル・ゲイツなど、正当性を印象づける人物が関わっています。その多くは、自分が何をやっているのか分かっていない、いわゆる「役に立つバカ」なのでしょう。彼らはただ人を助けようとしました。非常に奇妙なのは、パンデミック対応として、基本的人権を奪うことが正当化されたことです。

アイゼンハワー大統領は1961年の演説で、「軍産複合体」に触れ、軍事と科学研究のバランスを取りながら、憲法上の権利を常に最重視するべきだと言っています。この後ろの部分が完全に忘れられています。米国を破壊してまで、米国を救おうと思うでしょうか。米国とは何でしょうか。我々は世界中から集まった人種の集合体です。

私たちを一つにまとめ、私たちが何者であるかを定義するのが合衆国憲法です。憲法は、私たち全員が「何があってもこれを信じよう」と言えるものです。私たちは皆、同じ宗教に属しているわけではありません。イスラム教徒もいるし、ユダヤ教徒も法輪功もいて、多くの事に同意できません。しかし、この憲法には同意できるはずです。戦争が起きようが、疫病や飢餓、不況が起きようが、権利章典には誰もが同意するはずです。

大恐慌の時、多くの人が憲法を捨てようとしました。ルーズベルト大統領は最初の就任式で、有名な演説を行い「我々が恐れるべきものはただ一つ、恐怖そのものである」と語りました

彼は、暴君が恐怖を利用する事も、当時の恐慌が世界に広がる事も見抜いていました。ドイツやスペイン、イタリアでは、ファシストたちが不況を利用して、全体主義的な支配を強化しました。ロシアでも同様に、不況を利用して共産主義体制が強化されました。

東欧の一部の国でも同様の事が起きていました。多くの米国民が愛した政治家ヒューイ・ロングも、「今こそ革命の時だ」と言っていました。多くの人が資本主義や民主主義への信頼を失っていました。

ルーズベルトは、「恐れるべきは恐怖そのものだ。私たちはこれを乗り越えて、制度を再建する」と言いました。彼はまさにそれを実行しました。そして、「落ち着きなさい」と言いました。これこそ、彼が米国のためにした素晴らしい事です。彼は人々を落ち着かせました。

これが民主党の要でした。米国は勇者の故郷であり、自由の国です。ですから、恐怖で国が麻痺するような事はありません。ところが突然、歴史上初めて、恐怖を煽り、人々を怖がらせる政府が現れました。彼らは主流メディアやソーシャルメディアと協力し、「感染すると死ぬぞ」「年齢に関係なく死ぬ事がある」「他人に近づくな、感染するぞ」などと、常に私たちに恐怖を植え付けるのです。

「マスクを着けて言う通りにしろ」と言われます。 恐怖は人々の批判的思考を奪います。恐怖は暴君の道具であり、彼らはそれを兵器として利用したのです

エポックタイムズのシニアエディター。EPOCH TVの番組「米国思想リーダー」のパーソナリティーを務める。アカデミア、メディア、国際人権活動など幅広いキャリアを持つ。2009年にエポックタイムズに入社してからは、ウェブサイトの編集長をはじめ、さまざまな役職を歴任。ホロコーストサヴァイバーを追ったドキュメンタリー作品『Finding Manny』 では、プロデューサーとしての受賞歴もある。
大紀元報道記者。東京を拠点に活動。