幼稚園の門前で殺傷事件発生 園児や教師など6人死亡、動機は復讐か?=中国 広東

2023/07/10
更新: 2023/07/11

10日朝7時40分(現地時間)ごろ、広東省廉江市横山鎮にある幼稚園の正門前で、刀を使った凄惨な殺傷事件が発生。これまでに児童3人、教師1人、保護者2人の計6人が死亡し、ほか1人が負傷をしたと報じられている。

朝の幼稚園に悲鳴が上がった

地元警察は、地元在住の呉という男(25歲)を容疑者として逮捕している。犯行動機など事件関連の詳しい情報については、まだ明らかにされていない。

関連話題は、たちまち中国SNSウェイボー(微博)のホットリサーチ入り1位となった。「子供に手をかけるなんて信じられない」「朝っぱらから殺人だって。今の世の中、恐ろし過ぎる」「中国社会は、なぜこうなってしまったのか」といった嘆きの声が広がっている。

ネット上では、「殺害された側は、車で容疑者の子を轢いた。しかし補償が進まず(容疑者が)相手にされない状態が続いたことが動機ではないか」と噂されている。

車で轢かれたという(容疑者の)子供は今も入院中で、轢いた側(殺害された側)は容疑者に脅しをかけるなど態度が悪かったというが、今のところ情報は未確認で、事件の真相解明はこれからになる。

現地警察に逮捕された容疑者。(SNS投稿動画よりスクリーンショット)

「邪気が充満した社会」で続く凶悪事件

中国語で、人間の健康を損ねて病気にしたり、世の中の悪い気風を助長する邪気を「戻気(リーチー、れいき)」という。この「戻気」すなわち邪気が充満しているのが、現代の中国社会である。

「戻気」が充満した中国では今、対人トラブルを発端とする報復事件のほか、若者から高齢者に至るまで自殺が頻発している。

さらには、特定の相手への恨みではなく、「社会への報復」を意図したとみられるような無差別殺人などの凶悪犯罪が後を絶たない。

冒頭に挙げた広東省廉江市の幼稚園で起きた殺傷事件は、仮に特定の個人への恨みがあったとしても、全く関係のない複数の児童や教師などが犠牲になっていることから、やはり「戻気」に操られた無差別殺人の傾向がみられると言ってよい。

なぜ、こんな世の中になったのか?

先月は6月であったが、その1カ月間だけでも、以下のような理解し難い凶悪事件が目白押しとなった。

6月30日、江西省贛州市于都県で、同じ世帯の子供3人が殺害される事件が発生。そのうち最も小さい子は生後数カ月だった。

同じく6月30日、山西省臨汾市の鉄道駅でも刃物を持った男が、男女を殺害する事件が発生した。1人死亡し、1人が負傷している。

6月28日、山西省運城市垣曲県では、男が自分の妻や生後3カ月の息子を殺害し、妻の母親にも切りつけて負傷させる事件が発生した。地元警察によると、翌日容疑者の男は河へ飛び込み、自殺したという。動機は家庭内トラブルといわれている。

6月23日、遼寧省大連市荘河市蓉花山鎮でも6人が殺害される凶悪事件が発生。こちらも動機は家庭内トラブルとされており、容疑者の王(53歳)は、自身の兄や兄嫁、甥、甥の妻とその2人の子供を殺害した。

6月13日の明け方、天津市北辰区の団地で男が隣人の一家3人を刀で殺害する事件が起きた。動機は「駐車をめぐるトラブル」とされている。

6月7日、遼寧省瀋陽市皇姑区の野菜市場で、野菜を売る男がライバル店の女性らを刀で殺傷する事件が起きた。3人が死亡し、1人が負傷。動機は人間関係のトラブルで、日頃の対立がこの日ついに爆発したとされている。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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