国際的なハッカー集団「Anonymous(アノニマス、匿名の意)」は、天安門事件34周年を迎えた翌日(6月5日)に「我われは中国共産党のサイトを攻撃した。世界に向けて、中国の真実と六四天安門事件の真相を明らかにする」とする声明をツイッターで発表した。自由時報など、複数の台湾メディアがこれについて報じている。
この投稿に添付された複数の画像からして、今回この集団がハッキングしたのは、過去に侵入されたことのない「中国人民解放軍陸軍工程大学」や「航天工程大学」などの公式サイトも含まれていたようだ。
これら侵入された中共のサイトは、本来の内容の上に、標語の「六四を忘れるな(毋忘六四)」や事件当時に戦車が北京に進入する写真、さらに「言論の自由」や自由選挙の投票権を求めるメッセージなどが重ねられている。
また「作風優良、能打勝仗(態度が良ければ戦いに勝つことができる)」の文字に、野良犬のイラストが付けられていた。この言葉「作風優良、能打勝仗」は以前、習近平氏が中国軍の心構えを正すために「訓話」として述べたものである。
その言葉を最近、ある中国人コメディアンが自身のトークショーで、拾ってきた野良犬を飼う「お笑いネタ」に引用したところ大ウケし、観客の爆笑を得た。しかし、それがもとで、このコメディアンは活動停止に追い込まれ、所属事務所は多額(約2億6千万円)の罰金を命じられ、話題になったばかり。
今回のハッキング(あるいはクラッキング)は、人民解放軍の教育機関などは主な目標ではないらしい。同ハッカー集団によると「主な攻撃目標は、北京、上海、重慶、泉州、香港などの都市にある電子看板だ」という。
中国各地の電子広告板に「六四を忘れるな」「言論の自由を返せ」「北京の四通橋革命に関する情報」などを挿入する、と予告したハッカー集団は、ネットユーザーに向かって「街中でそのようなメッセージを見かけたら、ぜひネット上にシェアするよう」呼びかけている。
このハッカー集団は昨年3月、ロシアでウクライナへの侵攻をめぐる報道規制が敷かれるなか、ロシアの国営放送などをハッキングし、本来の映像を差し替えてウクライナの戦闘の様子に関する映像を数十秒を流した、とされる。
アノニマスは先月末「Hello、中国。我われは帰ってきた」とツイートしていた。
(ハッキングされたとみられる中国当局の複数の公式サイト)
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