広東の街中で無差別攻撃事件が発生 凶器はなんと大型重機「またも社会報復か」

2023/05/13
更新: 2023/05/26

中国広東省の街中で12日午前、土木作業などに使われる大型重機によって無差別に車両や通行人を攻撃する凶悪事件が発生した。社会への報復を図ったものとされている。

「ネットイース(網易)」など中国ポータルサイトの報道によると、事件は現地時間の午前10時過ぎ、広東省中山市にある大涌鎮の旗峰路で発生した。

犯行に使われた重機は、前部に太い丸太をつかんだり、解体工事に使用するハンドのついた特殊なホイールローダーと見られている。

事件現場には「重機の攻撃」を受けて大きく破壊された車両や、割れて飛び散った車の窓ガラスや部品などが一面に散乱している。事件発生当時、現場は一時騒然となった。

目撃者によると、重機を運転していた男は事件当時、完全に「暴走状態」だったという。この男、惠氏(48歳)は通報を受けて現場に駆け付けた警官によって現行犯逮捕された模様。

重機による無差別攻撃は、容疑者逮捕によって止むまで1時間近く続いていたと話す目撃者もいる。特に決められた目標はなく、その場に居合わせた全ての車両や通行人を「敵」と見なしたかのように、手当たり次第に重機を暴れさせて容赦ない攻撃を加えたという。

あまりに突然のことで、とっさに回避できず、被害を受けた車両の運転手のなかには、車の窓から飛び降りて脱出した人のほか、運転席に閉じ込められた人もいたようだ。現場を映した動画からは、血だまりのなかで倒れたまま動けなくなった配達業者らしい人の姿も確認できる。

犯行の動機についてはまだ不明だが、中国メディアは「(容疑者の男が)経営する会社がつぶれ、巨額の損失を被った」と報じている。

死傷者に関しては、公式発表では「負傷者4人。死者はいない」とされている。病院に搬送された負傷者は、命に別状はないという。

いっぽう「わかっているだけでも、すでに2人が死亡」とする情報もあり、実際の死傷者数はわからない。

中国経済の悪化がますます深刻化するなか、一般の市民は、どうにもならない現状に対する不満や将来への不安に加えて、政府による厳しい統制のなかで、息苦しく、重圧を抜くことができない状態にあると言われている。

そのため近年では、車を暴走させて意図的に人をはねるなど、社会への報復を狙ったとみられる凶悪事件が相次いでおり、深刻な社会問題となっている。

重機を用いた社会報復事件は、2015年9月3日に山西省朔州市の鉄道駅ちかくでも起きている。繁華街で、重機をつかった無差別攻撃により1人が死亡、20人以上が負傷をした。重機を運転していた犯人は、駆け付けた警官隊によってその場で射殺された。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。