中国共産党に関する問題に焦点を当てる米下院の特別委員会委員長は、米企業による対中投資を把握するため、「著名な最高経営責任者(CEO)や業界の代表者と接触する」と述べた。
米下院が今年1月に設立した「米国と中国共産党の戦略的競争に関する特別委員会」のマイク・ギャラガー委員長(共和党)はこのほど、英紙フィナンシャル・タイムズの取材に応じた。
ギャラガー氏は「中国軍との関連が疑われる中国のテック企業に多額な投資をしている」プライベートエクイティ(PE)会社やベンチャーキャピタル企業との接触を計画していると述べた。
また「リスク回避やデカップリング(経済的分離)の複雑さ」を把握するために、ウォール街の大手企業とも協議するとした。米バスケットボール協会(NBA)やウォルト・ディズニーの名前を挙げた。
同委員会はこれらの米企業に対してヒアリングを行う可能性があるが、まだ決定はしていないという。初めは非公開の証言を許可する可能性もあるとした。
1月、世界経済フォーラム(WEF)年次総会で中国の劉鶴副首相が「今年の経済成長率は通常状態に戻る公算が大きい」と話して、海外投資を歓迎した。これについてギャラガー氏は、一部の企業が中国共産党政権の「魅力的な攻勢に誘惑されて」おり、「非常に甘い考えだ」と懸念を示した。
同委員会は2月28日、結成後初となる公聴会を開催。テレビ中継も入り、最も視聴率の高いプライムタイムに放送された。冒頭には文化大革命や天安門事件に関する映像を流し、共産党による悲劇をあらためて伝えた。
ギャラガー氏は中国共産党との対峙について「これは礼儀正しいテニスの試合などではない。21世紀の生活がどのようになるかを決める戦いだ。最も基本的な自由が危機にさらされている」と強行姿勢を貫く考えを示した。
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