欧米で中国投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の禁止・規制が進む中、セキュリティリスクを理由に豪州を代表する豪連邦科学産業研究機構(CSIRO)も同アプリの制限措置を決めた。
CSIROはエポックタイムズの取材に対し「我々の情報、サービス、資産への侵害のリスクを減らすため、CSIROのネットワークとデバイス上でのTikTokの使用制限を決定した」と述べた。すでに同様の措置を取っている他の関連政府機関と協力して、「セキュリティ対策を見直している」と付け加えた。
国家安全保障上のリスクを理由に豪州の外務貿易省や内務省、財務省など複数の政府機関はすでにTikTokの使用を禁止している。
ソーシャルメディアを通じた海外干渉に関する特別委員会のジェームズ・パターソン委員長は、CSIROの決定を「サイバーセキュリティリスクに対抗する第一歩」と評価した。
その上で「中国共産党と密接な関係にあるこのアプリに対して、多くの豪州のユーザーはいまだ無防備なままだ」とし、「今年はこの状況を変える。我々の特別委員会がその責任を主導する」と強調した。豪キャンベラタイムズが報じた。
豪州のユーザーは160万人以上に上り、そのうち120万人以上が1991年以降に生まれた若年層とされる。
豪州は同アプリへの警戒を強めている。昨年9月にはクレア・オニール内務相兼サイバーセキュリティ相がTikTokによる個人情報の収集について、サイバーセキュリティ当局に調査するよう命じている。
豪州議会議員のアンドリュー・ハスティ氏も以前エポックタイムズの取材に対し「中国の国家情報法により、中国企業は当局に情報を提供するよう義務付けられている」と危機感を示した。
2020年には、当時のモリソン政権がティックトックの国家安全保障リスクに関して調査を実施。モリソン氏は外国勢力による干渉や個人情報の取り扱いなどのリスクについて、対応が必要と判断されれば躊躇しない姿勢を示していた。
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